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2016年06月の日記
2016年6月25日(土)

 世間の多くの会社が休みの土曜日であるが、今日は大学で11時頃からオープンキャンパスがあって、私もやってきた高校生の質問等に対応しないといけないので、出勤である。私の担当する「情報加工学メジャー」のブース(といっても会議テーブル1コだけだけど)は、ボーッとした高校生には難しそうに見えるので滅多に質問に来ないのだが、時々、チャレンジャーみたいな高校生とか、わけもわからず立ち寄ってしまってアリジゴクの穴に落ちてしまう(笑)高校生とか、「うどラヂ聞いてます」とかいうお母さんとかがやってくるので油断はできない。

 というわけで、今日はまあゆっくり大学に行ったらいいという日だったので、思い切って朝から「上戸」に突撃することにした。

 改めて位置関係を説明すると、私の家から善通寺の四国学院大学まで直線距離で西へ25kmぐらい、そこから上戸へはさらに西へ20kmぐらい。つまり、家を出て善通寺を通り過ぎてその倍ぐらい向こうへ行って、上戸でうどん食ってまた善通寺へ引き返してくるという、昼飯に蒜山のやす坊に行くぐらいの気力がないとできないような行程である。でも、滅多にないチャンスだし、上戸へはもう1年以上行ってないので(前回行ったのは去年の3月)、ネット上の上戸のツイッターで今日は営業していることを確認し(笑)、朝8時頃家を出て、9時前に上戸に到着した。

 入り口の前に行くと、半分開いた戸の間からいきなり女将さんがこっちを見つけて「あらー!」とか言って手を振った。私は恐る恐る入って行って、1年ぶりの照れ隠しに、まるで常連客のようにしゃべり始めました(笑)。

田尾「今、僕の後ろから大阪ナンバーの5〜6人のグループが入ってきたから、あのグループより先に店に入らんと玉切れになったらいかんと思って走って来たわ」
女将「なんよんな。こんだけ席空いとるがな。てか、まだ朝の9時前やし」
田尾「というか、奥さん何でこんな早よから店に出とん? 大将がいつも『朝起きて念入りに化粧せないかんから11時頃にならんと出てこん』言うとったやん」
女将「今日は早よ化粧できたんよ」
大将「ごめんな田尾さん、嫁がおらん時間を狙て来たんやろに」
女将「なんよんな。朝から私に会うたら元気になるやん。な?」
田尾「いやほんま、今日はめちゃめちゃ働けそうな気がするわ」

 などと言っていたら、先に食べ終わったお客さんが一人、私に「一緒に写真撮ってくれませんか?」と言ってきた。

女将「え? 私違うん?」
田尾「僕にって言いよるやん」
女将「ええわ、後ろで亡霊みたいに写っといたろ」

 あのお客さん、自撮りモードで私と並んだ後ろに女将さんが亡霊のように入っているという、お宝写真を撮って帰りました(笑)。

 上戸の麺、去年来た時より明らかにキレが増していました。大将の体調がええんかな。「伸びがない系でエッジが崩れずに表面から芯まできれいに茹で上がっている」という麺は、かつての「あたりや(中麺)」が神の領域。次いで「上戸(太麺)」と「宮川(中細麺)」。ここに第三世代から「海侍(中太麺)」、「三好(太麺)」あたりが入ってくる、というのが私的な印象です(三好は何年か行ってないので最新情報ではないけど)。

 讃岐うどん巡りブームが起こって以降、「柔らかくて伸びがある」麺が主流を占めている感がある中で、こういうバリエーションを若手(宮川の大将を除く・笑)がしっかり引き継いでいるというのが、何か、いいですねえ。上戸、行ったら修業なのか手伝いなのか身内なのか知らないけど初めて見る兄さんが一人入っていましたが、ぜひ、讃岐うどん界全体における上戸の麺の何たるかを、その技術だけでなくて存在意義と魂から習得していただけることを願っています。
2016年6月23日(木)

 いやあー、蒸し暑いねえ(どの口が言いよんや)。ここ数日、ようやく人並みに湿気を感じるようになってきたみたいで(笑)、「歳とると筋肉痛が数日後に表面化してくる」みたいな話ではないと思うけど、おかげで不快指数も少々アップしてきて、いいのやら悪いのやら、である。「いいのか、悪いのか」と言われると、「いいところも悪いところもある」と答えざるを得ない。大体、「これは丸ごと全部、絶対いい」とか「これは丸ごと全部、絶対悪い」などというものはないと思うからである。

 「8割ぐらいいいと思うけど、2割ぐらいは悪いところもある」とか、「9割ぐらい悪いと思うけど、1割ぐらいはいいところもある」とか、それが7:3だとか6:4だとか。5:5というのは「注目にも値しない、どうでもいいもの」になってしまうが、たいてい「10:0」というものはない、そんなものにはお目にかかったことがない、というのが私の経験則である。というか、たぶん、何につけてもそれが現実だと思うので。

 だから、「安倍政治は絶対に許さない!」と主張している人は、「安倍政治は10:0で悪い」と言っているように聞こえるので、基本的に「現実で物事を考えていない人」だと思っているのである。よし、うまいこと社会派ネタになだれ込んだぞ(笑)。

 同様に「民進党は絶対認めない」と言うのも、どうも気持ちが悪い。どちらも、「レッテルを貼って、あとは思考停止。何をやっても認めない」という話だから、ある種「差別主義者」に通じるものすらあると思うのである。以下、事例や例えを挙げてロジックを展開する時間がないので、“見出し”だけで次に行く。

***

 今度の選挙について、「アベノミクスが問われている」というのも、冷静に考えるとおかしな話だと私は思っている。

 アベノミクスにしろ何にしろ、為政者が常にその政策の成果を問われるのは当たり前であるが、原則論から言えば、国政選挙というものは「Aの政党(や候補者)の掲げる政策」と「Bの政党(や候補者)の掲げる政策」と「Cの政党(や候補者)の掲げる政策」等々のどれがよりいいか? が問われるのである。

 「アベノミクスが問われている」というのは、「Aの政党(や候補者)の掲げる政策」だけが問われているという話になる。しかし、「Aの政党(や候補者)の掲げる政策」だけが問われるのなら、それは国政選挙ではなくて、ただの「現政権の信任投票」である。すると、信任投票なら「問われる政党以外の立候補者」なんか、いらないじゃないですか。それは「国政選挙」じゃないでしょう。

 国政選挙で「アベノミクス」を争点にして他の政党が立候補するのなら、有権者に対して、民主党は「我々はこういう理由でこういう経済政策を掲げる。その実行計画書はこういうものだ。その結果、アベノミクスを上回るこういう成果が期待できる」という「オカダミクス」、つまり、上記の「Bの政党(や候補者)の掲げる政策」を出さないと、立候補の選択肢にならない(立候補の資格がない)でしょう。

 同様に、公明党は「ヤマグチミクス」、共産党は「シイミクス」を出さないといけないし、社民党は「ヨシダミクス」、生活の党は「オザワミクス」、新党改革は「アライミクス」を出さないといけない。スローガンやコンセプトの「見出し」だけ連呼するのではなく、「実行計画書」の付いた「ミクス」を出さないと、それは「候補者」ではなくて、ただの「文句を言っている有権者」だと言わざるを得ない。

 でも、こないだうちから新聞やテレビで見聞きする限り、現実的な「実行計画書」に値する発言や資料は相変わらず全く出てこない。しまいに全政党のホームページから綱領まで読んでしまったが(ま、綱領は実行計画を書くものではないから仕方がないが)、やっぱり「実行計画書」として成立している資料はどこにもない。実行計画書の付いていない政策など、実行できるかどうかもわからないし、実際政権を獲ったら実行するのかどうかもわからないし、実行したらどうなるのかもわからないのだから、私にしてみればほとんど「ガベージ」同然なのである。

 ちなみに、自民党の「実行計画書」も新聞やテレビや党のホームページではほとんどわからないが(まあ、他の党よりは具体性があったが)、自民党の実行計画書は国(政府)のホームページの中に「これまで何をやってきたか、今年度以降、何をやろうとしているか」が細部にわたるまで書かれているので、それを見れば圧倒的に詳しくわかる。

 でも、繰り返すけど、他の政党には有権者に選択肢として提示されるべき「実行計画書」がない(見当たらない)のである。民進党には「民主党時代の実行計画書」があるが、あれはそれこそ「9:1」で失敗したものだから、最低限、アベノミクスより成果が上がると思われるような計画書に修正されてないといけないのだが、それが何もない。

***

 以下、事例や例えを挙げてロジックを展開する時間がないので“見出し”だけで終わるが、選挙の時の野党って、ずーっとそんなんである。しかも、そういう「有権者に実行計画書を伴った選択肢も与えず、ヤジとアジテーションだけで立候補する」という傾向は、近年どんどん強まっているとしか思えない。

 選挙は、候補者(政党)が実行計画書を掲げ、有権者に「この政党に政権を委ねるとこういうふうになるのではないか?」というより具体的な推測ができるような「政策の選択肢」を提示する、という形に向かうべきだと思う。で、有権者も実行計画書のないヤジやアジテーションに流されないように学習すべきだと思う。

 そして、マスコミは「『政策』が国や地域の基本的枠組みを作るのだから、きちんと実行計画書の付いた『政策』を戦わせる選挙に向かうべきだ」という原理原則を、きちんと国民に訴えてもらいたいと思っているのである。今朝の四国新聞の一面トップの大見出しは、「アベノミクス問う」である。そうじゃない、「アベノミクス」と「オカダミクス」と「ヤマグチミクス」と「シイミクス」……等々のどれがいいかを問うのである。で、実行計画書の付いた「オカダミクス」と「ヤマグチミクス」と「シイミクス」……等々が出てこないことを指摘してくれないと、我々はまた「情緒」で投票することになってしまうのである。

 などという言葉足らずの日記につき、「誤読」されることを覚悟の上で今日はおしまい。
2016年6月20日(月)

 「梅雨なのに湿気を感じん」とか言いよったら、家内に「どういうこと? 空気清浄機の湿気表示見てん」と言われたので見たら、ほんまに湿気サインがフルマーク! 緑のランプが端から端まで全部ついとるやん!

 しかもこないだ、割烹「遊」に行ったら、

女将「ジメジメしていかんなあ」
田尾「それがなあ、全然湿気を感じんのや」
女将「それ、体が枯山水になりよん違う?」

と言われたぞ。どうも私の周りの狭い世間では、湿気をあまり感じてないのは私だけのようだ。植木に水をやっりょる場合でない。俺が水を飲まないかんのか。

 というわけで、土曜日の朝に上原から「田尾センセー、日記の更新の時期でーす」という督促メールが来たが、すぐに更新するようでは「いつでも更新できるのにサボっていた」というニュアンスが出てしまうので、「あの上原様に督促されてもすぐに更新できないほどの忙しさである」という感じを出すためにさらに2日空けてみたのである。

***

 土曜日の晩、19:00からの『うどラヂ』の収録を終えて21:00頃に家内と久しぶりにアップタウンに行ったら、広島在住の正義の人・くまさんが来てた。くまさんがいきなり「栗林公園に行って来たら、ほんまに鯉がおらん!」と言って、さっそく栗林公園に行って撮ってきた「鯉が集まる池の周りに造られていたコンクリートの歩道」の写真を見せてくれて、「こんなことしたら、雨が降るたびにコンクリートの成分が池に流れ出すんちゃうか?」とか言うので、ひとしきり牛乳屋さんやマスターと「栗林公園の鯉談義。それから「遺伝子組み換え作物談義」、「科学の進歩と過保護による人間の劣化談義」、「憂さ晴らし型クレーマーと問題解決型ご意見番の志の違い談義」…等々、18歳で選挙権をくれるお子たちには考えも及ばないであろう大人の談義を1時間半ぐらい交わして、「今日はこれぐらいにしといてやるか」と言って解散しました。

 その時、牛乳屋さんから「長(私)、趣味は何なん?」という唐突な質問が出てきたのだが、そこで考えに考えた挙げ句、私には趣味と呼べるような物がほとんど何もないことが発覚(笑)。

田尾「強いていえば、競馬と阪神タイガースかな。けど、競馬場も数年に1回しか行かんし、馬券も時間がある時にちょこちょこ100円とか500円とか買うだけやし。阪神も甲子園はもう20年ぐらい行ってないし、真弓が監督になってからはテレビの中継もほとんど見んし。基本、競馬も阪神もデータ集めが主体ですわ。いろんなデータをパソコンの中に整理して入れていって、時々全体を眺めて傾向とか誰も気がついてないようなメッセージを探したりする…」
牛乳「そやな、長はデータ屋やな」

***

 などという会話があった2日後の今日、四国新聞の一面トップに、

沖縄 抗議の県民大会 
女性殺害 6.5万人「怒り限界」

という記事がカラー写真付きで大きく出ていました。一瞬、『琉球新報』か『沖縄タイムス』が届いたんかと思った(笑)。

 そこで、まあこの手の記事は数字(主催者発表の動員数など)や主張内容にウソがあったり政治的意図があったりするので、とりあえず「感情」の部分はさておいて、なるべく客観的に「何事か?」を考えるためにデータを探してみました。

●沖縄県警発表の「沖縄県の凶悪犯罪数(殺人、強盗、放火、強姦の検挙数)」
2009年 66件
2010年 52件
2011年 69件
2012年 52件
2013年 53件
2014年 60件
2015年 68件

●そのうち、沖縄米軍関係者(軍人、軍閥、その家族)の起こした凶悪犯罪数(検挙数)
2009年  3件
2010年  2件
2011年  4件
2012年  2件
2013年  0件
2014年  1件
2015年  4件

 平均すれば、

●沖縄の年間凶悪犯罪件数は60件
●そのうち米軍関係者が起こしたのは2件くらい

というデータになった。なるほど、県民大会の参加者の皆さんが主張している「全基地撤去」が実現すると、沖縄では年間平均60件の凶悪犯罪が58件になるのか…というのが基本データからわかる事実である。

 もちろん、2件でも減るに越したことはないけど、もし「沖縄の治安をよくする」という目的なら、残りの「58件」の方が大問題だと思うのであるが、このデータを見ると、あの県民大会は「沖縄の治安をよくする」という目的じゃないのかもしれない。

***

 ちなみに、こんな数字がわかったら(調べたら誰でもわかるけど)基地反対派の方々は都合が悪いからか、さっそく『沖縄タイムス』が「人口比」という切り口を引っ張り出して、「米軍関係者の凶悪犯、沖縄県人等の2.3倍」という見出しで、「2006年〜2015年の間に逮捕(筆者注:「検挙」ではない)した殺人、強盗、放火、強姦の凶悪犯の人数が、人口1万人あたりの平均で米軍関係者が1.03人、県人等が0.45人で、米軍関係者が県人等の2.3倍に上っている」という記事を出していた。けど、それも結局「60人の中の2人」の話だから、目的は「米軍基地バッシング」であって、「沖縄の治安をよくする」という目的の話ではないんだと思う。

 例えるなら、会社で「年間600万円の経費削減」を目指すのに、「新聞を5紙(年間20万円)取っているのをやめよう」と言っているのが県民大会。それに加えて、「いかに新聞が悪いか」のデータを無理やり引っ張ってきているのが『沖縄タイムス』みたいな話ですか。

 でも、「年間600万円の経費削減」会議でたった20万円削減の案を出したら、「まあそれもええけど、600万の削減計画なんだからもうちょっと大きな話を出せ」とか言われて間違いなく一蹴される。ということは、やっぱりあれは、物事の因果関係のわからない人でなければ、「沖縄から凶悪犯罪をなくしよう」という目的の大会ではない、と言わざるを得ないでしょう。

***

 ちなみにちなみに、上記の「2009年〜2015年」の数字で「米軍関係者とそれ以外の人口1万人あたりの検挙数」を単純計算したら、

(米軍関係者)
凶悪事件の年間平均検挙数…2件
米軍関係者人口…約4.5万人
人口1万人あたりの凶悪事件検挙数…0.44

(米軍関係者以外)
凶悪事件の年間平均検挙数…60件
沖縄県民人口…約140万人
人口1万人あたりの凶悪事件検挙数…0.43

 あれ? ほとんど変わらないですよ。さらに、沖縄県の人口に米軍関係者が含まれているのかどうか知らないので、仮にそれを差し引いて「沖縄県人人口」を約135万人として計算すると、「0.44」で米軍関係者と全く同じになってしまうし。

 『沖縄タイムス』のデータは「2006年〜」なので、2006年〜2008年の間に米軍関係者の凶悪事件が無茶苦茶多かったのか(それなら「近年はどんどん改善されている」という話になるけど)、あるいは「検挙数」でなくて「逮捕数」となっているところに何かカラクリがあるのか(でも米軍関係者には「不逮捕特権」とかがあるから、逮捕数の方が米軍関係者に甘い数字が出ると思うんだけど)、あるいはまさかと思うけど、ウソの数字を出しているのか? まさかまさか、天下の新聞がそんなことはしないですよね。『沖縄タイムス』が天下の公正な新聞かどうか知りませんが(笑)。とにかく何か、鵜呑みにできない新聞記事であることだけは確かです。

 ちなみにちなみにちなみに、念のためにさらに念を押しておきますが、これは、あの事件を肯定したり擁護したりしているんじゃないですよ。もし、「沖縄県から凶悪犯罪をなくしたい(激減させたい)」という目的で戦略を立てるなら、「大きな原因から手をつけないと大きな成果が上がらない」という、当たり前の戦略論の話です。で、米軍基地がその「大きな原因」なのかどうかを、データで調べてみようというだけの話ですから。

***

 さて、昨日、難航する原稿に苦しんでいたため、気分転換に水槽の水替えに着手しました。約1時間の作業を終え、透明感のさらに増した水と、葉の一枚一枚のコケを丁寧にとって鮮やかさを増した水草を眺めていたら……ふと、水を循環させるフィルターのマットも入れ替えてしまおうという気持ちが湧き上がってきたのが事件の始まり。

 「よし、この際、一気にクリーンな水槽にしてしまおう」と思い立った私は、90センチ水槽の奥の上部に渡しているフィルターセットの上蓋を取った。ほう、やっぱりかなり汚れがたまっとる。よし、まずは新しいマットを用意してと。

 それから、汚れのたまったマットを取り除きにかかった。取り除くマットは全部で4枚。それを1枚ずつ取り替えていく。しかし、そのままテキトーに取り除いたらマットに付いている汚れが流れて水槽の中に入ってしまうので、まず、フィルターボックスの中に2つ並んでいるフィルターケースの右のやつの一番右の端、つまり水が循環して再び水槽内に入っていく直前のところに、別のきれいなマットで「左から流れてくる汚れをせき止めるダム」を造った。

 ダム完成。さっそく1つ目の汚れたマットを取り除くと、水の流れるフィルターボックスの中に細かいゴミがパッと舞った。けど、それが水と一緒に右に流れて行って、さっきカマした別のマットのダムできちんと食い止められた。水槽を見ると、よしよし、汚れは流れ込んできてないぞ。

 続いて2つ目の汚れたマットを、なるべく汚れが舞わないように慎重に取り除く。無事完了。ここでフィルターボックス内の左側のケース内のマット2枚が取り除かれたので、そこに新しいマットを装着する。

 続いて、フィルターボックス内の右側のケースの中にある残りのマット2枚に取りかかる(この辺、水槽を持っている人は想像できると思うけど、持ってない人はややこしいのでオチだけ見てください・笑)。

 まず上の1枚を慎重に取り出した。そして最後の1枚を取り出そうとしたところ、何だ? あ、マットの右端がさっき造ったダムの下に入り込んでいるではないか。危ない危ない、無理に引っ張ったらダムが壊れて、さっきから作業中にどんどん溜まっている汚れがいっぺんに水槽内に流れ込んでしまう。

 私はさらに慎重になり、右手でしっかりとダムのマットを押さえながら、左手でダムの下に入り込んだ最後の1枚のマットの右端を探って外そうとした……その時、ダムが底からボコッと持ち上がって決壊! 汚れ密度マックスに達した水が、管を通って一気に水槽内に突入! あわてて水槽内を見ると、つい10分前までくっきりはっきり鮮やかな景観を見せていた水槽全体が、あっという間に「赤色警報」の出た北京市内じゃ!

***

 などというテンションうなぎ下がりの翌日だというのに、こんな日記を書くのにデータを調べながら4時間もかかったやないか上原! 
2016年6月8日(水)

 前回の日記が「“梅雨テクノロジー”を思いついたので、それありきで無理やり前段をくっつけた」ことは、賢明な読者にはバレバレであろう。しかも、「全然ジメジメしない爽やかな雨模様」みたいなことを無理やり書いたら、翌朝の勝谷さんの有料配信メールにいきなり「湿度が高い」とかいう表現が出てきてひっくり返る(ひっくり返ってないけど)というオチまで付いて(笑)。

 ちなみに、インタレスト17号でレポートしたように、香川県の年間平均湿度は50年くらい前に75〜80%だったのが、ここ15年くらいは65〜70%と10%も低くなってきているらしいので、「他県の状況は知らないが、香川はそれなりに爽やかな気がする」ということにしておこう。加えて、歳のせいで人よりお肌が、「お肌」という歳じゃないな、皮が…いや、さすがに「皮」はないか、皮膚が乾燥してきているせいだ、ということにもしておくことにした(笑)。

 そういうわけで、いろんなものがジワッと進んでいるここ数週間である。

 今日の授業の3限目は、12月1日発行予定のインタレスト22号の企画案出し大会である。インタレストは年2回発行であるから、A4判24ページの冊子に6ヵ月もかけるのであるが、6ヵ月と言っても基本的に「週1回、半期15回」の授業だから、1回90分×15回で135時間ということは……1日8時間労働に換算すると……15日か16日か。その上に、土日や夏休み(春休み)期間中の取材等の作業を足すと……だいたい正味1ヵ月ぐらいの作業量になるか。

 まあ、情報発信手法においては素人の学生たちを20〜30人抱えてレクチャーとかしながらの作業だから、それなりによくやっているスケジュールだということにしておこう。

 で、今日は、2週前にメンバー30人くらいを4チームに分けて企画案を考えてくるように指示を出してあったので、それを出し合って第1回の検討をする日であった。

田尾「ほな、西岡、進行よろしく」

 あ、22号の新編集長は西岡拓郎である。ここのところ4年連続女子編集長だったのだが(表紙のテイストが女子っぽくなってきたのはそのせい)、久しぶりの、全22号中9人目の男子編集長である。しかも、2週前の新編集長発表の日に本人が就活でいなかったという、インタレスト史上初の「自分が編集長になったことを知らなかった編集長」である(笑)。

西岡「就活に行ってたらO林君から電話があって、いきなり『おめでとう』言われて。一瞬、何のことだかわからなかったんですよ。まだ入社試験も受けてないのに内定が決まったのかと思って…」
田尾「もしどっかのテレビが編集長就任インタビューに来たら、そのネタ使え」
西岡「そんなの来るんですか」
田尾「絶対来んけど(笑)」

 などという小ネタがあって、各チームから20本くらいの、「企画」になっているものやアバウトなテーマだけの案が出てきた。そのうち、ちょっと修正して即採用になったのが1本。あと、「完成予想図」が全く見えていない「案のような気がするだけのもの」がパラパラ散見されたので(まあインタレストが初めての2年生が20人近くもいるので想定内)、今日は西岡の進行を妨げて私がレクチャーでほとんど時間を取ってしまった。

*****

 次、「香川県内の獅子舞を紹介する」か。完成予想図は見えとるか? 見えてないやろ。一から順番に解説するから、ちょっとずつ頭の中で組み立てられるようになるように、考えながら聞いとけよ。

 まず、香川県内に獅子舞は全部で何ぼぐらいあるか? 
…………
 知らんやつは何ぼ考えても出てこんやろ。そこら辺、何のためにパソコンがよっけ並んどんや。すぐに調べろ。
…………
学生「出てきました。大体800ぐらいあるらしいです」

 800ぐらいあるとしたら、たぶん網羅はできる。じゃ、まず、香川県の獅子舞の全リストのデータベースを作ると仮定しよう。集める情報は? 獅子舞の名前、地区名、いつからやってるか、どこでやってるか、とかの概要を入れるか? すると、どれくらいのスペースを取るか、ザッと想定してみ? 

 名前や地区名や概要を入れた800の獅子舞データや。たぶん、文字数から見ると1ページに50件も入るかどうか。すると、16ページも文字ばっかりのリストが続くことになる。読者の立場に立って考えろ。読む気がせんだろ。

 じゃ、写真も入れると、ちょっと興味が湧くかもしれん。けど、写真を入れたらたぶん、インタレスト3冊分ぐらいになってしまう。この時点で「オールガイド」的な網羅企画はボツになる。

 ただし、「写真付きの香川県内獅子舞完全データ」はたぶんどこにもないから、データベースとしては資料価値はあると思う。だから、これはやるとしたら別に本を作るか、ネットで扱うか、という話になる。ここまでの筋道はわかるな?

 じゃあ次、「網羅企画」ができないとなると、次は「セレクト企画」の可能性を考えてみる。「情報加工学概論」の授業でやったやつや。セレクトするためには、セレクトの切り口を考えないかん。

 例えば、「香川県内の主な獅子舞50組」とかいうふうにセレクトすると、数的には収まるけど、切り口の「主な」いうのが、何をもって「主な」とするのかが曖昧だから、出したら「なんであそこが入ってないん?」とかなって特集がボケてくる。だから「主な」みたいな情緒的な切り口はダメだ。

 じゃあ、エリアで切ったらどうか? 例えば「善通寺市の獅子舞完全ガイド」なら、たぶん企画は成立する。けど、こいつは連載しないと香川県を網羅できないことになる。善通寺市だけに配る冊子ならええけど、インタレストは県下全域と一部全国に出ているから、対象エリアからすると「善通寺だけの獅子舞」特集ではよろしくない。

 さらに、インタレストの特集としては、ある程度おもしろくないと採用レベルに上がってこない。

 という感じの前提で、800の獅子舞の中から30とか50とかをセレクトする「切り口」を考えろ。それが出てこない限り、獅子舞企画はボツになる。

*****

 などという感じで、
(1)データを網羅的に集める。
(2)集めたデータが量(スペース)的に掲載可能で、しかも全体から何かの興味深いメッセージが出るものであれば、「網羅企画」として採用する。
(3)量(スペース)的に、あるいは技術的に網羅できないものは、ある「切り口」でセレクトする。その切り口に妥当性があり、何かの興味深いメッセージが出るものであれば「セレクト企画」として採用する。
という解説をした後、「けどまあ、獅子舞企画はデータベースとしては価値があると思うけど、インタレストの特集にするには、学生レベルではセレクトの切り口がちょっと見つからんような気がするなあ」と思っていたのである。

 そしたら、奇才K橋が手を挙げた。

K橋「『獅子頭イケメンランキング』はどうですか?」

*****

 出たねえ!(笑) 

 切り口を考えるというのはそういうことだ。ただし、誰がどうランキングを付けるのか? ランキングを付けるためには事前に全部、あるいは全部に近い獅子頭の写真を撮って来ないかんけど、どうやって撮ってくるのか? あるいは、獅子頭にランキングが付けられるほどのバリエーションがあるのか? 等々、詰めてみないとできるかどうかわからん要素がかなりある。

 ということを考え合わせて、獅子頭案を出したチームはさらに企画案を具体化してこい。

*****

 とかいう感じで、出てきた20本近くの案“もどき”を具体化していって検討するという、苦難の企画会議シーズンが始まりました。プロからすれば「そんなレベルからか」とお思いでしょうが、学生はまだそこから(笑)。とりあえず、目標は「7月第1週までに次号の企画を絞り込む」です。さあみんな、頑張って考えようぜ。
2016年6月5日(日)

 6月5日と言えば北条時宗の誕生日でおなじみであるが…というネタで書き出すためにネットを見ていたら、ガッツ石松も壇ふみもアン・ルイスも6月5日生まれだとあったが、そう言われても「そうですか」としか答えようがない。

 今日は朝からずっと雨模様なのに、何か全然ジメジメしない爽やかな空気なので、午前中、1時間ぐらいかけて水槽の水替えをして水草のコケもきれいに取って、昼から雨の中をクラフトマンズファクトリーに行って2時間ほど原稿を書いてきた。それから2時半頃、家に帰って、場所を変えて気分転換をして再び仕事にかかる。

 夕方、家内と久しぶりにプーキーに行ってグッピーを20匹とダルメシアンみたいな模様のやつを10匹買って、メシ食って家に帰る。それから水槽に魚を投入し、しばらく眺めてから仕事部屋に籠もって仕事を再開。

 夜の11時頃、そろそろ全仏オープンの男子シングルス決勝とアメリカ女子ゴルフの最終ラウンドをやってる頃だと思ってインターネットの速報ページを開けたら、野村が前半を終わって1打差で2位に付けとるやないの。でも、テレビで生中継はないし、全仏オープンもテレビを見てたら仕事にならんので、パソコン画面の横の方に速報ページを開いて仕事をしていたら、全仏はジョコビッチが優勝して、ゴルフは野村が1打差の2位で終わった。

 今、午前3時20分。網戸から地球寒冷化みたいな涼しい風が入ってきています。ジメジメした湿気は全然ありません。梅雨がどうなのか、天気予報を全然見ないのでよくわからんけど、雨はそんなに嫌いな方ではないので、こんな爽やかな梅雨ならそれなりに歓迎である。

 調べてみると、雨の日でも湿度が100%になることはまずないそうである。どっちかというと、濃霧の方が湿度100%に近くなるそうである。たぶん、上の方の雨雲の中が湿度100%で水滴ができて、落ちてくる地上あたりは100%ではないということらしい。だから、地上で水滴ができる霧の方が100%に近いということだと、間違ってても勝手に思うことにした。

 すると、何かうまいことしたら、湿度の少ない「爽やかな梅雨」が生み出せたりせんのかな。「梅雨テクノロジー」とかが発達して…とか考えながらこれを書いていたら、午前3時50分になった。とりあえず、また上原んちの小学生みたいな日記になったらいかんので、小学生には難しいダジャレを織り込んでみたがどうか。(←ナンシー関風の文末)
2016年6月4日(土)

 6月4日と言えば梓みちよの誕生日でおなじみであるが、こんな書き出しで照れ隠しをしなければならないほど間が空いてしまって、チンペイから催促されるわ、インタレストの申し込みメールを読んでいたらあちこちから「久しぶりに4日に3回も更新したかと思ったら長期休養かい!」とかいうツッコミが入っていたりするわ…。

 というわけで、18日ぶりだというのに鬼のような書き物と調べ物が続いているため、本日午後8時半頃のFM香川『うどラヂ』収録後の会話でお茶を濁すことにしよう。

田尾「昨日の金曜日、谷本に電話したわけよ」
ごん「はいな」

田尾「今週の火曜日にインタレストが出来上がってきたんよ。それで、リビング高松にも毎号置いてもらってるから、土曜日の収録の時に谷本に渡したらええと思ってな。それでいつも200冊置いてもらってて、それがすぐになくなる言うてたから、なんぼぐらい渡したらええか聞こうと思って電話したんよ」
ごん「ま、何事も事前確認は大事ですわな」

田尾「俺も学習したがな。そしたらいつものように、電話しても絶対にいっぺんでは出んやつやから10コールぐらいしても無反応や。しょうがないなあ思いながら電話を切ったら、1時間ぐらいしてやっとかかってきた。ほんだらな、6月の18、19日の土日にサンメッセでリビングがフリーマーケットをするんで、そこに置いといたらかなり出るって言うんよ。聞くと、去年のフリーマーケットの時もインタレストを『ご自由にお持ち帰りください』って書いて置いとったら、えらい人気でほとんどなくなったらしいって」
ごん「いいじゃないですか」

田尾「そこで、ふと考えたんや。今、インタレストの編集室にバックナンバーがどんどん増えてじょんならんようになってきとる。すると、これを最新号と一緒にフリーマーケット会場に置いてもろたら、お客さんは喜ぶし編集室の在庫はさばけるし、あんまり使いとないけど『ウインウインの関係』やんか」
ごん「あんまり使いたくないですけど、確かにウインウインの関係ですね(笑)」

田尾「そうと決まったら善は急げ、まるむし商店のちっちゃい方は磯部や。在庫のない号を除いてバックナンバーも各号50冊ぐらいずつ置いてもらうことにして、どうせなら団長日記にフリーマーケットの案内も一緒に書いて載せようという話になって、谷本に『フリーマーケットの日時と会場の詳細をメールで送っといてくれ』言うたら、谷本が『わかりました。すぐ送っときます』言うて」
ごん「さすが敏腕編集者。やることがテキパキしていますね」
田尾「ほんま、素晴らしい編集者や」

谷本「何かイヤな予感がしますけど…」
H谷川「二人に持ち上げられたら、絶対落とされますからね」

田尾「それから俺はチンペイに手伝ってもらってバックナンバーを揃えて箱詰めして、それを車に積んで家に帰って、谷本からのメールを元に『リビングのフリーマーケットでインタレストのバックナンバーを出すぞ』という内容で日記を更新しようとしたわけや。そうすると、インタレスト欲しさにフリーマーケットに来る人が増えるかもしれんし、俺はそこら中から催促されとる日記を更新できる。まあ、言うなればナントカナントカの関係やな」
ごん「僕もよう知らんのですけど、ナントカナントカの関係ですね」

田尾「それでパソコンを開けてメールを取ってみたんよ。そしたら…来とらんやないかああー!」
谷本「すいませんすいません! ほんとすいません!」
田尾「それから一晩中待ってもメールが来ん! 今日、収録に来る前にも確認したけど、何も来とらん!」
谷本「違うんですよ! いや、何も違わないんですけど、電話切ってから仕事してたらちょっと忘れてしまって…」

田尾「ま、そんなこんなで日記の更新が18日も空いてしまったというわけや」
谷本「そこに来るんですか! しかも18日全部私のせいになってるじゃないですか!」
田尾「長かったなあ…確か電話したのが5月の20日頃やったっけ…」
谷本「昨日です!」

 ま、一部脚色は入っているが、概ねそういう話であった。

 というわけで、ご案内。

「リビング夏の大フリーマーケット」
日時:6月18日(土)、19日(日) 各日10:00〜16:00
会場:サンメッセ香川・大展示場
入場料:中学生以上100円、小学生以下無料

以下、谷本ねえさんからのメールを無断転載すると(笑)、

各日300ブース以上が出展する、まぁ県内で最大級のフリマです。中には飲食ブースや企業ブースも。で、有料催事なので、入口と出口を別に設けております。インタレストは、出口のところに置かせていただきますので、ぶっちゃけフリマに入らなくても、持って帰れまーす(笑)。私は毎回、券売所で入場券の販売か、入口に立って「いらっしゃいませー」って言う係です。ほらやっぱり受付嬢的な役割が似合うから(爆)。以上、よろしくお願いいたします。たにもと。

ま、「受付姐」うんぬんの表記はさておき、両日、フリーマーケット会場の出口付近にインタレストのバックナンバーを欠番を除いて10数種類、各50冊ずつと、出たばかりの最新号はたぶん200冊ぐらい置いてくれるそうなので、ぜひ皆さんお持ち帰りいただいて、香川県内メディアでは体験することがないであろうトンガリぶり満載の「インタレストワールド」にガッツリハマっていただければ幸いです。以上、正味200字ぐらいでお伝えできる内容を2000字くらいに水増しして久しぶりの日記をお届けしました(笑)。
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