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2012年07月の日記
2012年7月31日(火)

 今日は朝から食欲がなくてご飯もパンも全然欲しくなかったので、何も食べずに高速に乗って大学に向かい、善通寺で下りて宮川に行ったら(うどんは食えるんかい)、大将が奥さんとオリンピックの判定覆り事件について熱く語っていた(笑)。朝8時10分。

大将「あ、田尾さん。全然気がつかんかったわ」
田尾「今日はちゃんと8時過ぎてから来たけんな。6時はまだ営業時間でないの、学習したで」
奥さん「そなに早よから来よったんな」
田尾「こないだまで、宮川は6時からや思とった」
大将「私と二人きりになりたかったんや」
田尾「それは内緒やろ」
大将「あ、ごめんごめん」

 朝から爽やかでない会話をしたけど(笑)、とりあえず大とちくわ天と半熟卵天を食べて大学に行きました。どこが食欲ないねん。

 それから、すでに学生から出て来つつあるレポートを数十枚読んで成績を付けていて、11時10分からのマーケティング論の最終回の講義。こいつを劇的なエンディングで終えて1時前に研究室に帰っていたら、丸顔のおじさんが声をかけてきた。

O西「あ! 田尾さん!」
田尾「うわ! どしたんですか、こんなところで!」
O西「教員免許更新の講習」

 今週から四国学院大学に中学校や高校の先生がたくさん来て、教員免許更新の講習をやっている。講習ではうちの大学の先生方がいろんな科目を講義していて、中学校や高校の先生が科目を選択して受講しているのだが、そこへ、あの「うどん王グループ」のO西先生が受けに来ていたのである。もう、10年以上ぶりの再会だ。

O西「田尾さんは免許更新の講義せんのな」
田尾「できんがな。今日も今まで学生に通常の授業してたもん」
O西「相変わらず忙しそうやな」

 10分ぐらい立ち話をして、それから研究室に帰って夕方5時過ぎまで、レポート読みと学生指導。途中でチンペイにFAXを送ってもらいに行ったら(研究室にFAXがないので)、チンペイが深刻な顔で言ってきた。

チン「田尾先生にちょっと気がかりなことがあって、聞きたいことがあるんですけど」
田尾「何や」
チン「先生時々、熱帯魚に子供が生まれたって書いてますけど、その後の経過が書いてないじゃないですか。生まれたやつはどうなってるんですか?」

 あのな、言うてることと顔つきにギャップがありすぎるわ(笑)。とりあえず、「ちっちゃい4匹は順調に育ってる。あとはたぶん、でっかいやつに食われたと思う」とか説明してたら、今度は「独裁制の国の国民は意外と幸せなんじゃないですかね」とかいう脈絡のない話題を振ってきたので、律儀な私はそれに対する考えを簡潔に述べる。すると今度は、「学生が田尾先生の授業は難しい言うてましたけど、そんなに難しいんですか?」という話を振ってきた。

田尾「全然難しくないぞ。原理原則の話がほとんどやのに。ただな、俺の授業はたいてい全部、実社会のビジネスというかマーケティングの原理原則が骨組みやから、あるタイプの学生には難しいかもしれん」
チン「どんなタイプですか?」
田尾「たぶんな、教職を目指してるような子。真面目で、黒板に書いたことをきちんとノートにとってそれを覚えようとするような、そういう勉強を中学〜高校とずっとやってきてそこそこ成績がいい、特に女の子。そういう学生にはある意味、難しいかもしれん」
チン「そうそう! そんな子が言ってましたよ」
田尾「そういう子は、賢そうなレポートを書くんやけど、根本的にマーケティングの世界が理解できん子が多いんや。理屈の世界の話をしよんのに、何か哲学のロジックみたいなレポートを書いてくるんよ。要するに、それは実社会では通用せんぞ、みたいな。いや、そういう子はみんな真面目に勉強しよんぞ。ほんでそこそこ賢いんやけど、ロジックというかメンタリティというか価値観というか、何か考え方の基本が、根本的に現実的なビジネスマーケティングの世界の理屈と違うんや。たぶん、その理屈が違うことに自分で気がついてないから、A評価が取れんで“難しい”って言いよん違うか?」
チン「たぶんそれですよ」
田尾「けどなあ、俺の授業は哲学でなくてビジネスの世界のマーケティングの授業やから、ビジネスとマーケティングの理屈を理解できんかったらA評価はつけられんが。逆に、学校の成績はたぶん大したことないような男の子の中に、短いレポートやのに理屈がわかってスパッと書いてくるやつが結構おるんよなあ」

 この話はちょっと深いので、あまり書くといろんなところに支障が出てくるかもしれんので書かないが、私の中では、今の社会のいろんなものにつながってくる、和Dがヒヤヒヤする話より根が深い(笑)かなり重要なテーマである。大学に来て10年目ですが、数年前からそういう感じを実感しています。で、毎年その部分でいろいろ考えながら授業改善に取り組んでいるので、いつまで経っても授業準備に時間がかかるんです。
2012年7月30日(月)

 ふう、蒸し暑いのう、ニッポンは。CO2削減論者は原発再稼働推進デモをやらんのか(笑)。あと、人間は24時間CO2を排出し続ける「内燃機関」なのに、CO2削減論者はなぜ少子化対策に反対しないのか(笑)。あと、「アメリカは出て行け」と叫んでいる人たちがアメリカに押しつけられた憲法を神棚に祀って拝んでいるのはなぜなのか(笑)。あと3つぐらいあるけど、(笑)をなんぼ付けても和Dがヒヤヒヤするので、これぐらいにしといてやろう。

 今日の夜は食事をした後、ちょっとくつろいで家内と1時間ぐらいテレビを見ていました。前田美波里が北海道で富良野メロンを食べて、「わー! ジューシー!」と言ったのでチャンネルを変えたら、ハンバーグのCMで女性タレントが「ジューシー!」と言いました。

家内「ジューシーなんか、普通言う?」
田尾「言わんな」
家内「日常生活で何か食べて“ジューシー”言うた人、今までで一人も見たことないわ」
田尾「ジュース飲んでも“わー、ジューシー!”とか言わんもんな」
家内「それは普通に言わんやろ」

 飲食店や料理紹介の原稿を書く時に、「新鮮な瀬戸の幸をふんだんに使った」や「甘さを抑えた」とかと並んで「絶対に使わんぞ」と決めていた表現の一つが「ジューシー」だったもんで、ちょっとテレビにツッコミを入れてしまいました。

 それからしばらく、水槽を眺めながらちょこちょこと手直し。実は昨日、ほぼ半年ぶりに水草と熱帯魚を多めに仕入れて(水草10数株、魚50匹ぐらいとヌマエビを20匹)、水替えと合わせて水槽内のレイアウトを一新したので、とても気分転換になってるの。オトシンクルスがコケ取りをサボり始めたのでヌマエビを入れたら、こいつらがよう働く働く(笑)。ただ、昼間は部屋の温度が上がってしまうので、水槽にミニ扇風機を付けて冷やしてるんですけど、電気を使う話は書きにくいなあ(笑)。あんまり書いてたら刺されそうな勢いだもんなあ。今日はもう寝よ。
2012年7月29日(日)

 ふう、暑いのう、ニッポンは。暑いけど、そのうち「家でずっとクーラーをつけてます」言うたら非国民扱いされそうな気がするので、私はサイレントマジョリティになることにする(笑)。マジョリティですよね。マイノリティなのか? 日本は電力不足の道を選んだのだから、みんなクーラーをつけずに我慢してるのか? とりあえず、私の周りではクーラー止めてる人をまだ見てないので、マジョリティだとしておくけど(笑)。

 ちなみに私は、短期的には大飯原発は再稼働しない方がよかったと思っています。理由は安全性がどうかとかではなく、5年ぐらい原発ゼロで行って、「日本に何が起こるか」を実証してみた方がいいと思うからです。もう、やってみて結果を見ない限り、いつまで経っても「答のない言い合い」が続くばっかりでラチがあかないので。それが中途半端に稼働してしまうと、また「答」がうやむやのまま言い合いが続いてしまうから。

 5年止めたら、かなり「答」がはっきりしてくるんじゃないですか? 「そんなことやったら日本は終わりだ」と言う人もたくさんいると思うけど、「止めろ」と言っているマスコミや政治家や識者や運動家の皆さんが絶対日本を救ってくれるはずですから大丈夫ですよ。

 けど、再稼働しちゃったからなあ。せっかく「答」が出そうになってたのに、結局、中途半端に「答」が出ないままの状態が続くことになるのか…。まあ、運動家の方々には「答」が出ない方が運動を続けられるからいいのかもしれないけど…。あ、いかんいかん、また和Dがヒヤヒヤするからやめよ(笑)。

 さて、うちの大学はこないだの金曜日で前期15回の授業日を終え、あとは試験と補講の予備週を残すのみとなった。レポート等で成績をつける試験のない科目は、今週は休みである。けど、私はフル稼働だ。まず、月曜日は授業のない曜日であるが、別件の学生指導で終日勤務。火曜日は1回台風で休校になった分の補講。水曜日のインタレストの授業は、授業回数に関係なく毎週やってるので休みなし。金曜日はこないだの福山出張授業未遂事件(笑)で休講になった分の補講。

 で、木曜日は先週で15回目の授業を終えて、レポートで成績をつける科目が1科目と、もう一つはワークショップで作品を作るのが試験代わりになっているので、本来なら授業はないところだったのである。ところが、先週の最終15回目の授業を終えた時、何と、学生たちから「来週もやってください」というオファーが出てきたのである。そういうわけで結局、今週、16回目の授業をやることになった。デザインの松本君に手伝ってもらっている「印刷情報加工ワークショップ」の授業。いやー、松本君、プロ冥利に尽きるなあ!

 今晩は夜8時頃家に帰って、ちょっと仕事をして、10時過ぎから12時までエビアンマスターズの最終日の生中継を見た。日本選手は両宮里も上田桃子も優勝争いには絡まなかったが、パク・インビー、カリー・ウェブ、ステーシー・ルイス、ナタリー・ガルビス、フォン・シャンシャンに17歳のアマチュアのキム・ヒョジョの6人の終盤の争いがむちゃくちゃすごかった。どうすごかったのかをお伝えするには、14番から18番までの全ホールの全選手のプレーを全部書かないといけない…と書けばすごかったことがちょっと伝わるやろ(笑)。

 あと、近年希に見るほどすごかったもう一つは、産経新聞で連載している棋聖戦の、羽生と中村の第3局の観戦記。私は将棋はわかるけど自分でやるのはすこぶる弱い。けど、この観戦記は、初めて「翌日の新聞が待ち遠しい」と思った。たぶん、明日で終局になると思うけど、将棋の観戦記を切り抜いたの、初めてです。いやー、この1週間、いろいろ刺激的なものを見せてもらいました。さ、今週も全力でいろんなことやるぞ。
2012年7月23日(月)

 先週の土曜日は、今年何回目かのオープンキャンパス。私は午前11時半から午後3時まで、メジャー(専攻)別の個別相談会の「情報加工学」担当で、会場の情報加工学コーナーに座りっぱなしで、たまにやってくる高校生やその親御さんの質問や相談を受けていろいろ説明をする係。続いて午後3時10分からは、相談ブースを離れて別の教室で高校生を相手に模擬授業を40分、その後5時から会議、というスケジュールであった。

 個別相談会の会場は広い講堂みたいなところで、そこにいろんなメジャーや大学全体の説明ブースが20くらい並んでいて、大学見学に来た高校生たちがお目当てのブースに行って情報収集するというスタイルである。私の担当の「情報加工学」は、その名称からは何をするところかよくわからないみたいで(笑)、「わからないからたくさんの学生が聞きに来る」のではなくて「わからないからあまり来ない」という、マーケティング的には当たり前の状況が生まれていて、そんなに高校生が殺到するというわけではない。けどまあ、『インタレスト』と私の微々たる知名度で、毎回何人かはブースにやってくる。特に親御さんの方が「田尾さんや」いうてよく来てくれまして(笑)。

 そんな今回、何やらもう一つやる気に乏しそうな高校生が一人、私のブースにやってきたのである。

田尾「はいいらっしゃい。何が聞きたい?」
生徒「いや、特に…」
田尾「何や、聞きたいことないのに来たんか」
生徒「係の人が行け言うたから」
田尾「何だそれは」
生徒「別に行きたいところはないって言うたら、係の人がここへ来たら何かええこと言うてくれるって」
田尾「どんな案内や(笑)」

 何か人生相談コーナーと間違われてるような気もしたが、まあとりあえず話を聞いてやることにした。しばらく、いろんなタマを打ちながらそいつのメンタリティを探り出してみた結果、こいつは何となく「楽してお金儲けをしたい」というテキトーなメンタリティである、という結論になりました(笑)。だって、社会に出たら何をしたいか? と聞いたら「印税生活」って言うんだもん。しかも、「自分には作家になる能力も音楽家になる能力もない」って言うのに。しょーがないのー。

田尾「ちょっと計算するぞ。例えば本とか出したらな、本の定価の10%ぐらい印税が入ってくるんや。1500円の本が1部、1部いうのは1冊のことの。1部売れたら、印税150円や。1万部売れたら?」
生徒「150万!」
田尾「そんなんでびっくりしてええんか? 1年かけて一生懸命原稿書いて、1万部売れる本を1冊出したら、年収なんぼや?」
生徒「年収150万」
田尾「ほら、その辺でアルバイトしよんと変わらんやないか。年収1000万稼ごうと思ったら、どうせないかん? 10万部ぐらい売れる本を書くか、1万部売れる本を1年に10冊書くか…それを毎年毎年続けていって…」

 私は相手がどんなやつでも全力で理詰めに話をする性格なので、それから30分近く、あれやこれやと事例を挙げながら説明してやった。無気力感に満ちあふれてたそいつが、「ありがとうございました。何かちょっと、考えます」いうて帰ったわ(笑)。

 その後、3時10分から高校生を相手に模擬授業を全力でやって、5時から会議に出て、7時40分に家に帰って、上村さんがどうしても遊びたいというので(笑)8時にあるところに出かけて、夜中の2時前に帰って、全英オープン見ながら3時半頃まで仕事をして寝ました。

 日曜日は8時頃起きてずっと仕事してて、思考の袋小路に入ってしまったので気分転換に県営球場に出かけて、母校の観音寺一高の試合を4回の裏から見ました。1対1のまま6回まで来て、6回の裏に1点取ってリード。7回の裏にヒットとエラーで一挙に4点取って、そのまま6対1で勝ってベスト4に進出しました。次の相手になる香川西高の選手がバックネット裏でずーっと試合を見てて8回あたりで帰ったけど、7回に4点取った後、8回から観一のピッチャーの土井の球の伸びが変わったの、ちゃんと見てないんちゃうか?

 8回終わった頃、高校野球マニアの和Dに電話したら、朝から記者席で2試合見て(そんなとこ入れる身分になっとんか!)、第3試合の観一の2回が終わって帰ったらしい。ということは、私が球場に向かってる時にどこかですれ違ったのか。

 けど、とりあえずベスト4。準決勝は平日やから見に行けんけど、どうかなあ。土井が今日の7回までの丁寧な過保護ピッチングをやっとったら、打たれるような気がするなあ。
2012年7月20日(金)

 今日は午前10時に広島県福山市の高校に行き、10時30分から出前授業をすることになっていたのである。

 私は県外出張の時は、たいていJRを使う。理由は、行き帰りの道中でパソコン開けて仕事ができるからである。よって今回もJRで行こうと思って時刻表をいろいろ調べていたら、どうも行き先の高校は山陽本線からローカル線に乗り換えて行かなければならないらしく、駅から高校までの時間も加えると、高松から3時間ぐらいかかることが判明した。ということは、朝7時には出発しないといけない。万全を期して前日から福山に行って一泊するという案もあったが、いらん経費を使ってそこまですることもないしなあ…ということで、とりあえず早起きしてJRで行くことにしていたのである。

 ところが昨日の木曜日、授業を終えて車で帰ろうとした時、ふと「車で行ったらどれくらい時間がかかるのか?」と思ってカーナビに行き先の高校を入れてみたら、「目的地まで98km、1時間30分くらいかかります」というメッセージが流れてきた。1時間30分?! JRの半分やないか。

 私は考えました。さすがに3時間と1時間30分は勝負にならない。よし、車で行こう。

 というわけで今朝、万が一のアクシデントも考えて、7時半過ぎに高松を出発したのである。順調にいけば9時頃、集合時間の1時間も前に福山の高校に到着する。まあもし早く着いたら近くの喫茶かどこかに入って、コーヒーでも飲みながら仕事をして時間をつぶして行けばいいということで、私は余裕しゃくしゃくで高松西インターから高速に乗ったのである。

 で、ふと見たら、ガソリンのランプがついた! えーっ! ガソリンが底をつきかけとる……っと、いやいやいや、大丈夫大丈夫。メチャメチャ余裕を持って出て来とるから、一回坂出インターで降りて、ガソリン入れてまた上がってきたらええわ。

 私は余裕で坂出インターで高速を下りて、11号線をちょっと走ったところにあったガソリンスタンドで給油をして、余裕でまた高速に乗って瀬戸大橋を渡り始めた。まだ8時過ぎやないか。カーナビを見ると、到着予定時刻は9時15分くらいになっている。楽勝楽勝。私は落ち着いてそこから橋を渡り切って、しばらく走って倉敷ジャンクションに差しかかり、そこを西に折れて山陽自動車道に入って福山方面に向かったのである。

 さて、大してカンのよくない読者でも、そろそろ何かが起こると思っているでしょう。大丈夫ですよ、ちゃんと起こりますから(笑)。

 まず、これから起こることを理解していただくために、ここから目的地までのインターチェンジを並べておきましょう。倉敷ジャンクションから福山市に向かって、インターチェンジは倉敷IC、玉島IC、鴨方IC、笠岡IC、福山東ICと続いています。そして、私は「福山東IC」で下りることになっていました。

 ところが、倉敷ICあたりで高速道路の電光掲示板に大きく「事故のため、笠岡IC〜福山東IC間、通行止め」と出たのです。

 ということは、本来下りるはずだった福山東ICの1つ手前の笠岡ICで高速を下りて、一般道で高校に向かわなければならないことになったぞ。時間は大丈夫か? 大丈夫に決まってるやん(笑)。時間はメチャメチャ余裕あるもん。

 しばらく走っていると、玉島ICを過ぎたあたりでまた電光掲示板に表示が出ました。
「事故のため、笠岡IC〜福山東IC間、通行止め」
それはさっき見た。続いて、
「笠岡IC、2kmの渋滞」
 えっ?! 2kmの渋滞?! どういうことだ? あ、笠岡の先が通行止めだから、みんな笠岡で下りてるんで、料金所で混雑して渋滞してるのか。

 どうするか…2kmの渋滞いうたら何分くらいで抜けられるんや? 料金所でトロトロ進んでるだろうから、まあ渋滞もトロトロ進んでるだろうけど、今のところ集合時間の10時までは通常の所要時間の上に45分は余裕がある。授業開始時間までなら1時間以上余裕がある。2kmのトロトロ渋滞抜けるのに、なんぼ何でも1時間はかからんやろ。

 けど、万全を期すなら笠岡ICのさらに一つ前の鴨方ICで下りた方がええのか? けど、土地勘がないから、鴨方を下りてから笠岡までどれくらい時間がかかるのかが全くわからん。2kmのトロトロ渋滞を抜ける時間と、鴨方から笠岡まで一般道を走る時間の比較か。どっちが早いんや…全然わからんが…

…とか考えてたら、鴨方ICを通り過ぎてしまいました(笑)。

 選択肢は1つになりました。そのまま、笠岡ICの2kmトロトロ渋滞に突撃することに決定。そこで鴨方ICを過ぎてしばらく走っていたのですが、全然渋滞の気配はありません。カーナビを見ると、笠岡ICまであと2分と出ている。おお、渋滞はもう解消されているのか。何だ、取り越し苦労だったのか…と思っていたら、向こうの方に車の集団が見えてきました。やっぱり渋滞が残ってた。

 ま、しょうがない。時間はまだまだあるし、トロトロ渋滞もちょっとは短くなってるだろう…と思いながら、私は少しずつスピードを落として車の集団に近づいて、さらにスピードを落として、時速60キロから50キロ、40キロ、30キロ……20キロ、10キロ……完全にトロトロ運転状態になった。

 しばらくすると、1台の車が私の横の追い越し車線を時速50〜60キロくらいで走って行った。行っても先は渋滞やぞー、先の方でこっちの車線に割り込むんかー? あ、また1台行った。さらにもう1台。おいおい、全部先で割り込んだらこっちの車線が動かんようになるでないか。あ、また1台行った。今のトラック、えらいスピード出してたみたいやけど、あかんぞ、割り込んだら。

 とか思っていたら、私の前のトラックがビタッと止まった。あーあ、言うた通りやないか。仕方なく私も車を止めて時計を見たら、9時頃。集合時間までにまだ1時間ある。まあ焦っても仕方がないので、とりあえず私は止めた車の中で余裕こいて渋滞の解消を待っていたのである。

 そしたら、ふと外を見ると、横の追い越し車線まで車が止まってしまって、ズラーッと後ろに連なっているではないか。高速道路2車線とも車がビタッと止まって、前後おそらく100台以上、肉眼で見える限り全部の車が止まっている。しかも、止まった車からぞろぞろと人が降りてきて、みんな前の方を見ているではないか! 中には双眼鏡で見ている人までいる。何事だ?!

 私は野次馬になるのがプライド的に許せないので、かたくなに車から降りずに、窓を開けてみんなが見ている先の方を凝視してみた(冷静な野次馬だ・笑)。そしたら、こっち側の車線の40〜50台くらい先の車の列の間から、1台の赤い車が頭を横に向けて覗かせて止まっているのが見えた。私には、その赤い車が渋滞に辛抱できなくなって、追い越し車線を逆走して引き返そうとしてにっちもさっちもいかなくなっているように見えた。何をやっとるんだ、あいつは。

 しかし、それにしても、これはちょっとやそっとでは動きそうにない気配がしてきたぞ。私は大学にいる入試課の森Tに電話を入れて、渋滞に巻き込まれていることを伝えた。で、「もしかしたら集合時間に遅れるかもしれない」と先方の高校に連絡を入れておいてもらうことにして、パソコンを出して車の中で仕事をし始めたのである。時々ちらちらと外を見ると、相変わらず数十人の人が車を出て道路上で先の方を見たり、携帯で連絡を取ったりしている。

 そのうち、福山側から反対車線をサイレンを鳴らしながら消防車が走ってきて、ドップラー効果の音を残して後方に走り去った。続いてパトカー、さらに消防車がもう1台、反対車線を岡山側に走り去った。何だ、後ろの方で事故でもあったのか? と思っていると、しばらくして今度は私の車の後ろの方からサイレン音が聞こえ始めた。ドアミラーで見ると、渋滞の2列の車の間を、消防車がこっちに向かって走ってきているではないか! それがどんどん近づいてきて、私の横を通って前の方に走って行った。さらに消防車、続いてパトカー…。それから10分くらいの間に、消防車とパトカーと高速道路パトロールみたいな車が次々に何台もやってきて、渋滞の2列の間を通って私の横を通って前の方に走って行った。何だ、事故か?! 

 時計はすでに9時45分を指していた。この間、すでに森Tと何度も状況確認をしていた私は、ついにあきらめた。たぶん、もう授業には間に合わない。その旨を森Tに高校に伝えてもらうように頼んだ。しばらくしたら森Tから「高校に連絡して今日の授業はキャンセルということにしてもらいました」という返事が来た。

 結局、渋滞に巻き込まれてビタッと止まったまま1時間半。車が動き始めたのは午前10時15分でした。動き始めて数百m進むと、道路の左脇に大破、中波、小波の車が6〜7台並んでいました。その中に、さっき遠くに見えた赤い車がいました。逆走しようとしてたんじゃなくて、事故であんなことになってたらしい。

 あとでわかった顛末は、こういうことだったようです。

(1)午前3時台に笠岡IC〜福山東IC間で大型トラックが横転事故を起こして、笠岡IC〜福山東IC間が通行止めになった。その通行止めは5〜6時間にわたって続き、午前9時50分頃解除された。
 私が最初に見た通行止めの表示はこれだった。

(2)続いて今度は午前9時頃、ニュースによると「笠岡ICの手前で追い越し車線を通行中のトラックがガードレールに接触後、渋滞のため走行車線に停車していた乗用車7台に次々と衝突し、7人が重軽傷を負う事故を起こした」。
 これ、たぶん私の横の追い越し車線をかなりのスピードで走って行った、あのトラックだ。あれが私のほんの数百m先で事故ったらしい。

 ちなみに、福山で高速を下りてすぐに乗り直して岡山方面に引き返していた私が、反対車線のさっきの事故現場当たりにさしかかったら、事故処理が終わって動き出していたはずのところでまた車が数十台、ビタッと止まっていた。その先頭にパトカーらしき車のライトが回っていたんだけど、あれ、事故車を見ながら走ってた車が脇見でまた事故を起こしたんじゃないかと思ってるんですが。

 みんな、車の運転は気をつけようね。何か、今日の午前中は200キロぐらいドライブをして、何の役にも立たずに終わりました。ふー、明日はオープンキャンパス。また模擬授業せないかん。
2012年7月17日(火)

 連日、朝7時過ぎから夜7時前まで、授業時間以外は昼飯を食う間もなく研究室で引きこもり(笑)。しかも、内容は書けないが「私の能力を超えていて難しい」ではなくて、「量が多くて忙しい」でもなくて、「理屈に合わなくてやりにくい」という仕事なもんだから、フラストレーションがちょっとたまるという苦しい日々だ。ま、私はかなり楽観主義なので「ちょっとたまる」程度で済むのだが。別件で研究室に来た安Zに「何か最近の日記を見てたら、言いたいことが言えなくてフラストレーションがたまってるような気がしてたんですけど」と言われたが、やっぱりニオウのか(笑)。

 私は楽観主義の上にかなり合理主義でもあるから、物事を、特に問題解決の手法を、理屈で詰めていくクセがかなり強い。だから、理屈でなくて情緒優先で物事を進めていく人にはかなり嫌われているに違いない(笑)と思っている。

 例えば、例のいじめ裁判の報道も、私はどうしても理屈で考えてしまう。例えばこんな感じで、

(1)まず、目的を整理する。
 目的はたぶん「陰湿ないじめをなくする」だろう。

(2)次に、この問題に関わる「プレイヤー」を整理する。
 まず「生徒」には、
・いじめた生徒
・いじめられた生徒
・いじめなかった生徒
・いじめられなかった生徒
の4つのカテゴリーがある。そして、それぞれに「なぜそうであったか」という理由がいくつかずつ存在するから、考えられるそれらを列挙する。

 次に、周りの大人には、
・いじめた生徒の親
・いじめられた生徒の親
・いじめなかった生徒の親
・いじめられなかった生徒の親
・教育現場担当者としての先生
・教育現場責任者としての校長
・教育現場監督者としての教育委員会の担当者及び責任者
・教育行政責任者としての市長、知事
などが挙げられる。こちらはそれぞれ、「果たすべき責任は何か?」「その責任を果たすための権限はきちんと持っているか?」を考えて並べる。

(3)しかるのち、陰湿ないじめが起こる原因として考えられるプレイヤーを、原因として大きい順に並べる。

(4)問題解決の手法として、原因の大きい順に考えて自分なりの答を出す。
 
 というふうに頭の中で整理していくのが、「問題解決」に対する私の考え方のクセである。「腹の立つ順」でも「世論的に攻撃しやすい順」でもなくて、「原因の大きい順」である。こういう合理的な考え方が、たぶん今の世論とやら(特にマスコミ報道)に合わないので、何かモヤモヤするのある。

 とりあえず、「教育委員会や校長や先生を袋叩きにしても、陰湿ないじめは減らないだろうなあ」と思いながらマスコミ報道を見ています。まあ、そいつらもひどいことはやってるから叩かないよりは叩いた方がいいと思うけど、そこが原因の一番じゃないと思うから。原因の一番をきちんと特定すれば、「陰湿ないじめをなくする」という目的を達成するための手段は、かなり具体的に出てくる。でも、理屈で書いたら理屈嫌いの人から猛反発があると思うので書かない。フラストレーションがたまるけど、「ちょっとだけ」だからいいや(笑)。また和Dがヒヤヒヤしてもいかんし(笑)。
2012年7月15日(日)

 ふー、ちょっと油断したらもう1週間だ。前期授業があと数週間で終わるということで、担当の各授業がそれぞれエンディングに向かっているのだが、今年は担当授業が増えた上に何やらいろんな雑務が乗っかってきて、優先順位の高い仕事に集中できないモヤモヤした日が続いている。会社で例えて言うなら、「営業社員に報告書作成業務が増えて、肝心の売上が伸びない」みたいな。

 さらに『インタレスト』のマネジメントも、いろいろ困ったことが出てきている。カリキュラムの全学的ルール変更で去年から「全学部誰でも履修できる」ことになった上に、「半期ごとに履修登録」になったため、
・単位だけ取れればいいという参加意欲の薄い学生が入ってくるようになった。
・夏休みは大事な取材・編集作業期間なのに、後期に履修しないかもしれない学生がたくさんいるため、特集ごとの担当学生が組めない。
という大ピンチである。今年の夏休みは、たぶん私が獅子奮迅の活躍をしなければ、14号はちゃんとできないような気がする。頼みの綱は編集長の大魔王・十河と、後期も履修する予定の数人のスタッフと、後期は履修できないらしいけどわかっとるやろなO西と吉D(笑)。

 みたいなことでここんとこずっと苦しんでいるのに、O西と吉Dにはちっとも可哀想に見えないらしい(しつこいな・笑)。世の中では理不尽なことがいっぱい起こっているが、絡んでいる余裕がないので今日はここまで。
2012年7月9日(月)

 綾田、全米女子オープン予選落ち。まあ今年のあの調子からすれば仕方がないか。下位でプレーしていたため全然映像を映してくれなかったので技術的なことはよくわからんが(映ってもよくわからんのだけど・笑)、ここ1年のスコアを見る限り、何か、今やってることの延長線上には「解」がないのではないか…という気がするなあ。技術かメンタルかどっちかで、「改善」ではなくて何かの「ブレイクスルー」がいるのではないか…感じ。

 スポーツだけではなく、たいていのもの(個人も組織も)が伸びていく時には、少しずつ「改善」しながら反復練習して伸びていくという局面と、違うことをやって停滞を打開して(ブレイクスルー)伸びていく局面の2つがある。後者はたいてい、前者をやって伸びた後に停滞してしまった時にとる手法であるが、綾田は後者の局面にあるのではないかと、素人目に見てて思ったりしています。

 ちなみに、「改善」する能力と「ブレイクスルー」する能力はたぶん別なので、もし改善しながらここまでやって来ているのなら、その延長線上には解がない、ということである。また、コーチにも改善能力のあるコーチとブレイクスルー能力のあるコーチがいるから、どっちのコーチを選ぶかが大事になってくる。ま、よくわからない外野の意見なので、想像の域を出ないのですが。

 何か、高校の時のクラブ活動を思い出したわ。
 
 私は中学1年から軟式テニスで前衛をやっていたのだが、まあ大した腕もなくて、大会に出てもいつも無名のノーシードで、たいてい1回戦か2回戦で負けていた。それで、高校に入ってまた軟式テニス部に入ったら、その年の1年は前衛ばっかりが多くて(当時の軟式テニスは前衛と後衛でペアを組むダブルスだけで、しかも後衛は後ろで打ち合うだけ、前衛は前でボレーやスマッシュをするだけというふうに役割分担がほぼ完全に分かれていた。今はペアのどっちもが前に行ったり後ろに行ったりするんですか?)、このままではペアが組めないということで、1年生が集められて「前衛が多すぎるので、前衛の下手なやつは後衛に変われ」ということになった。それで、ネットサイドに前衛が全員集められて、先輩が打ってくる球をランニングボレーしてレベルを確認することになって、私は一発目のすごい球をいきなり顔面に受けて、その場で「田尾、後衛」と言われたという経歴を持つ程度のレベルであった(笑)。

 それから、慣れない後衛の練習を始めたんだけど、高校1年の高校総体県予選では一回戦負け、秋の新人戦も二回戦で負け。翌2年の高校総体県予選も一回戦負け、秋の大会も一回戦で負け。もちろん中学時代よりはうまくなってたんだろうけど、周りのみんなもうまくなるわけだから大会成績が上がるわけがない。で、2年の秋にペアの組み替えがあって、私は同学年のペアを外されて、1年下の後輩と組まされることになりました(高橋、お前や・笑)。

 で、翌年。高校生活最後の大会になる3年の高校総体県予選で、パッキン(勝ったらシードチームと当たるという、ノーシードの1回戦の組み合わせ)から勝ち上がって、あれよあれよという間にベスト4まで行ってインターハイ出場決定(笑)。わっはっは、おやじの昔話&自慢話だ(笑)。

 2年の冬、ブレイクスルーしたんです。ある強い選手の試合を見ててハッと気がついて、それまでの「うまく打つ、うまく繋ぐ」ための練習をやめて、全部の球を強く打つ練習に切り替えた。どんなに体制が崩れても全部、全力で振り切って打つ、打球がネットにかかろうがコートをオーバーしようが、とにかく全部の球を全力で振り切って打つという練習に切り替えて、一冬越えたら化けました。

…と書いたらどれだけすごい練習をしたのかと思われるかもしれないが、ま、あの時のことを覚えている仲間がいたら「毎日部室でトランプ(ナポレオン)をしてて、その合間に気分転換で練習してた」ことは隠しようがないけど(笑)。

 ちなみに、振り返ってみたらあれ以来、大学時代にメンタルブレイクスルーが1回、タウン情報誌を初めてすぐ、技術的なブレイクスルーが1回、社長になった時にメンタルと技術のブレイクスルーが1回。そこから転職が2回あったけど、転職自体はブレイクスルーじゃないから、しばらくブレイクスルーが起きてない…などと書いてたら、もう一回何かをやらかしそうになるから、水でも飲んで落ち着こう(笑)。とりあえず、目の前の仕事仕事。
2012年7月6日(金)

 綾田紘子が全米女子オープンゴルフに出てるんですよ。高松市出身の、1年くらい前にここでちょっと書いた24歳の女子プロ。この子はアマチュア時代に日本女子アマをはじめ何回も優勝して、2010年にプロ入りしていきなり2位とか3位に入ったりしてシード権を獲ったのに、2011年は散々な成績でシード権を失って、今年はただでさえ少なくなった出場試合でも全然ダメ。私は「なんか変なスイング改造とか始めて迷い込んでるんちゃうか?」とか思って心配していたのである。

 そしたら、彼女のブログによると(そんなん見てるんか・笑)、ま、全米オープンに出るというのでわざわざ見たんだけど、ブログによるとこないだアメリカに行って全米女子オープンの予選会に出て、上位6人が本戦に出られるところで7位タイという微妙な順位(笑)で終わって、けど待機選手(補欠みたいなもの)を1人に決めるプレーオフで勝って待機選手になったら、本戦で欠員が出て、繰り上がり出場が決定したらしい。

 それで金曜日の朝。

 四国新聞に「綾田好発進 全米女子ゴルフ」という見出しが載っていた(でも写真は宮里藍のティーショットだったけど・笑)。記事には「宮里藍が3ホールを終えて1オーバー、馬場ゆかりは2オーバー、高松市出身で初出場の綾田紘子は2番(パー5)でバーディーを奪って1アンダーと好発進した。宮里美香、上田桃子、横峯さくららは午後1時(日本時間6日午前3時)を回ってからのティーオフ」と書かれていた。

 四国新聞の朝刊は、たぶん夜中に原稿締切だから、それでここまで載っているということは、綾田は日本時間で深夜0時にはすでにプレーを始めている。ということは、日本時間の早朝にはラウンドを終えているはずだ。私はCSかネットで結果を調べようと思ったが、時間がなかったので大学に着いてからネットで見ようと思って、そのまま車に乗って大学に向かったのである。

 そしたら、運転中に西日本放送ラジオの朝の生放送でスポーツニュースをやっていた。最初は野球の結果で、試合ごとにスコアを読んだ後、ちょっとコメントが入ったりして、次に全米女子オープンの結果を読み始めた。

「宮里藍が2アンダーで4位タイ、宮里美香は1アンダーで8位タイ、横峯さくらは3オーバー、上田桃子は5オーバー、馬場ゆかりは6オーバーで初日を終えました。では次にサッカーです」

 おーい! 綾田の結果はスルーか! 高松の放送局だろ!

 ニュース原稿を書く人がいて、それを読む人がいて、つまり2回もチェックできる場面があるはずなのに(アナウンサーがニュース原稿を書いてたら1回だけど)、それでこの「高松市出身の綾田が全米女子オープンというビッグトーナメントに出ている」という内容を落とすとは。しかも綾田は初日4オーバーで予選通過できるかもしれないという位置に踏みとどまっていたことは、放送時間には決まっていたはずなのに。

 私が番組をやっていたら、絶対、宮里藍の成績より先に綾田からいじるとこやけどなあ。まあ、意識がないんでしょうね。地域密着を謳う地元放送局なんだから、こういう小さな地元意識の積み重ねこそが命だと思うんですけど。

 とりあえず、綾田は初日77位タイです。予選通過には、2日目イーブンで4オーバーを維持するぐらいのスコアがいるだろうなあ。早起きしてテレビ見るか。
2012年7月5日(木)

 全15回で完結する前期授業が、今週から12回目に入った。今日、木曜日は「情報加工学概論」と「印刷情報加工ワークショップ」の2科目。それぞれ、過去11回にわたって数々の「手法」をレクチャーしてきて、いよいよ今日からおもしろさがレベルアップする「応用編」の局面である。

 まずは情報加工学概論。字面から「コンピューターと格闘する情報工学」みたいに思われるかもしれないが、「情報工学」ではなくて「情報加工学」、私が勝手に作った名称(笑)で、実はこれはマーケティングの基礎手法のプログラムなのである。大きな構成は、

(1)目的(誰を、どうしたいのか)の設定手法
(2)情報収集の手法
(3)情報編集の手法
(4)情報発信の手法

の4つ。この「情報」のところをそのまま「情報」で応用すれば、テレビやラジオ、新聞や雑誌、インターネット、各種印刷物、イベント等の企画から実践の手法になるし、「情報」を「商品」や「サービス」に置き換えれば、そのまま商品開発企画の実践手法になる。要するに、ただ情報を集めて整理して発信しても人は動かない。具体的な目的をしっかり掲げ、その目的を達成するのに有効な情報を集め、それに「人を動かす編集」を施し、有効な媒体で発信しないと成果は上がらない。そこで、そのそれぞれの過程における基礎的手法を習得しよう、というのが、私の組んだ「情報加工学」のプログラムなのである。

 ちなみに、実戦経験を積んだプロの方々にはいきなり(3)から入っても十分応用できるのであるが、社会でのビジネス経験のない学生には、(3)から入ると小手先の“思いつき企画”しかできないようになる恐れがあるので、ここまで、(1)と(2)に十分時間をかけて、実は「同じようなこと」を手を変え品を変え何度もレクチャーしてきた。で、残り授業回数も少なくなってきたので、いよいよ今日から(3)の「情報編集の手法」に入って、最終レポートを作らせる前に私が手本を次々に並べて行ったのである。

 まず、集めてきた情報をよりおもしろく、より興味深く見せるための編集加工の手法(道具)を、バラバラと20くらい並べる。どれも学生には聞いたことも考えたこともない手法であるから、このあたりでは学生はまだ戸惑いを見せていたのであるが、私がその手法を使って考えられる情報発信の企画案を黒板に次々に並べ始めると、突然やり方がパッとわかったらしい学生10数人が目を見張り始めた。

田尾「じゃあ、練習するね。仮に素材を『讃岐うどん』にする。今から、ここに並べた手法を使って『讃岐うどんを食べに来るお客さんを増やすための、讃岐うどん情報発信の企画案』を考えるぞ。まず、『網羅』という手法を使うと、例えば、○○○○という企画案が考えられる」

と言いながら、企画案を黒板に書いていく。

田尾「次に、『項目別セレクト』という手法を使う。讃岐うどんに関する『項目』は○○、○○、○○、○○……などが挙げられるから、企画としては○○、○○、○○、○○……という案が出てくるな。次、『対象別分類セレクト』。これはさらになんぼでも出てくるぞ。例えば、○○、○○……、お、これはまだ誰もやってないけど、おもろいんちゃうか?」

…とかいうふうに、30分くらいで20以上の企画案を次々に並べていってたら、食いついてきていた学生の中の数人なんか、あまりの展開力に、目を見張る状態を通り越して半笑いになってるやないか(笑)。

 ま、今日はそういう授業でした。履修学生は100人くらいいるのだが、後ろの方の席に固まっている「単位だけ取れればいい軍団(笑)」の中にもスイッチ入ったやつがいて、黒板がすぐにいっぱいになって消しながらどんどん企画案を出していたら、黒板をカメラでパシパシ撮ってた。よかったよかった(笑)。

 続いて昼からの「印刷情報加工ワークショップ」は、4〜6人ずつ7チームに分かれて、今年は「総本山善通寺をみんなが今以上に興味を持つように紹介する」というテーマで、ここまで各チームが企画、取材に取り組んできた。既存の情報誌やパンフレット、あるいは新聞やテレビ、インターネットで紹介されている善通寺は、今のままではもうこれ以上のマーケティング的成果は大して望めない。そこで、既存メディアがどこもまだやっていない切り口で総本山善通寺の情報発信を企画する、というワークショップである。

 7チームが別々の企画を同時進行で作るので、私は「7面指し」体制である。昨日の話ではないが、テーマを提示して「あとは自由にやりなさい」では、マーケティング実戦経験のない学生はまず「使えないもの」しか作れないから、企画段階から毎週、7チームを回りながら指導をする。

 さらにサポート体制として、総本山善通寺のエライ人に協力してもらって、社務所の広報担当の安藤さん(お坊さん)にこの授業の取材窓口になってもらった。学生たちは必要なら安藤さんにアポを取って取材に行けるように段取りをして、すでに、ほぼ全チームが何度も安藤さんに取材をかけている。安藤さんには7チームが別々の企画で取材をかけるという面倒なことになってると思いますが、ほんと、忙しいのにありがとうございます。

 一応安藤さんには「忙しかったら取材を断ってくださいね」と言ってあるので、学生たちは安藤さんのスケジュールに合わせて、授業時間以外にかなり動いているようである。しかしそれにしても、十河チームが持って行った企画「善通寺・美☆坊主ランキング」(笑)、絶対却下されると思ったのに、安藤さん、受けてくれました(笑)。やつら、すでに15人のお坊さんの写真と10項目ほどのアンケートを収集してきてます。こいつを今から、不謹慎にならないようにちゃんと編集せないかん(笑)。ま、練習授業なので成果物は表に出ないんだけど。

 で、授業12回目の今日から、プロのデザイナーの松本君に来てもらって、教室のスクリーンに大きく映しながら最終仕上げ段階に入ったのである。今日はさっきの十河チームの企画から取り組み始めた。編集のプロの私とデザインのプロの松本君が、学生チームと一緒に、ああでもない、こうでもない、こうすればもっとよくなる…とやりながら作り込んでいくのである。

 他のチームは、自分たちの企画を最終編集しながら、十河チームの企画がプロの手によって見事に仕上がっていくのをスクリーンで見ている。インタレストと同じスタンスで、学生たちは自分たちで苦しんで企画して取材して素材を集めて、そこからまた苦しんで見せ方を考えて、最後は同じ素材をプロがどう仕上げるのかを見せる。「レベルの高い作業をやって見せて伸ばす」というやつである。

 私は、学生に「自分でデザインできる能力」などは求めていない。デザイナーを目指すのなら別だが、ビジネスマンになるのならデザイン能力や文章力はあまり重要でないからである。ビジネスの現場では、企画・編集・ディレクションをする人間は自分でデザインや文章作成などしない。ビジネスマンはたいてい、プロのデザイナーやコピーライターを使うのである。

 ビジネスの現場では、目的は「自分たちで一生懸命作ること」ではない。「ユーザーが満足するもの」を作らないと意味がない。そのために「できるスタッフ」を使うのである。だから、「プロの手によっていいものができていく過程」を見せないと教育にも訓練にもならない、というのが私のこの授業のスタンスである。

 いやー、それにしてもやっぱり「ビジュアル局面」に入ると学生の食いつき方が違いますね。ただし、唯一の難点は、みんなが「松本さん、すごーい!」になることだ(笑)。おかげでまた、学生たちに「松本さんが苦しんでいるとかわいそうだけど、田尾先生が追い込まれててもあまりかわいそうに見えない」という間違った価値観が醸成されるでないか(笑)。
2012年7月4日(水)

 こないだ、ある学生が頭を抱えて訴えてきたのである。

 前にちょっとだけ触れたけど、話は1ヵ月くらい前に遡る。研究室に一人の学生が訪ねてきた。

学生「田尾先生、ちょっと教えてもらいたいんですけど」
田尾「どしたんや。お前が教わりに来るとは珍しいやんか。よっぽどのことがあったんか」
学生「いや、別の授業で課題が出たんですけど、やり方がよくわからないんで教えてもらえませんか?」
田尾「そんなの、その授業の先生に聞いたらええやんか」
学生「だって聞いても投げっぱなしであんまり教えてくれんし、たまに何か言うけど何言ってるのかよくわからないし」
田尾「しゃーないのー、どんな課題や。ちょっと説明してみ」

 というわけで内容を聞いたら、それは完璧に私の守備範囲の課題だったので、簡単にレクチャーしてやることにした。

田尾「まず、目的は何や?」
学生「目的? そんなん何も言われてない」
田尾「目的が決まってなかったら、どういう考え方で作ったらええかわからんでないか。とりあえず、何て言われたんや」
学生「○○を作れ、言われた」
田尾「なるほど、それは具体的な目的でないのー。しゃーない、ほな、とりあえず自分なりにこの制作物の目的を決めろ。手段のレクチャーはそれからじゃ」

 それから「目的の決め方」のレクチャーをして、その目的を達成するために有効な手段を考える手筋を教えて、それからいくつかチャチャッと例を挙げて、

田尾「例えば、こういうやり方もある。けど、これをこうすると、見た目は格好がつくけど相手に伝わるメッセージがボケてしまうだろ? 言いよること、わかるか?」
学生「わかりますわかります! ほんとだ! すごいすごい!」
田尾「すると、やっぱりこっちの方が目的には適っていることになる。けどな、こっちのやり方はもう20年も30年も前のセオリーやから、今からお前らの時代で成果を挙げようと思ったら、俺らが昔やってた時代のセオリーをなぞってるようではいかんのぞ。例えば、こういうふうにしてみ? どっちがおもしろい?」
学生「うわー、こっちのほうが絶対おもしろい! 先生すごいわ!」
田尾「当たり前じゃ。俺はプロやぞ」

 みたいなレクチャーを30分ぐらいして、そいつは「ありがとうございました!」言うて研究室を後にした。それから1ヵ月くらい経ったこないだ、そいつが来て、こう言ったのである。

学生「先生、こないだ教わった感じで作っていったら、『やり直し!』いうて怒られましたよ!」
田尾「あんだけレクチャーしたのに、どんな作り方したんや」
学生「違いますよ。内容の話じゃなくて、いきなり『作り方が間違ってる、やり直し』って」

 よく聞いてみると、古いセオリーを捨ててチャレンジしたところをいきなり「間違ってる」と言われたらしい。ふー、まいったな(笑)。

 1+1=2、みたいな「正解」のある課題ならわかるけど、正解のない課題に対して「指導者と評価者が違う」というのは、絶対うまく行かないのである。さらに、そこで指導者と評価者のレベルが違ったりすると、もはや教育にさえならないと言える。当然、教わる方も間違いなく混乱する。けど、相談に来られたら教えないわけにはいかんしなあ。まいったなあ(笑)…みたいなこともあったりする、真面目にやってたらなかなか刺激の多い職場ですわ(笑)。
2012年7月3日(火)

あまりに恥ずかしいので県外の人には誰にも気づかれまいと息を潜めていたのに、今日の四国新聞に、太陽光発電事業を行う「うどん県電力株式会社」なるものが設立された、との記事が載っていたのが勝谷さんにばれてしまったらしい(笑)。どこかでこの記事を見たらしい勝谷さんから、「××に×××××じゃないでしょうか(注:筆者善意の伏せ字・笑)」という、(笑)も付いてないメールが来ました。

 太陽光発電の42円買い取り制度が「自前で太陽光発電をやる人」以外のすべての電力ユーザーを苦しめるものであることは、普通に考えれば誰でもわかることなのでもう書かなけど、「うどん県」の暴走は、もう誰も止める人がいないのだろうか。あの「うどん県に改名」騒動以来、そこいらじゅうに「うどん県」の派生物が増殖し始めて、最初はおとなしく「やだなあ」ぐらいの反応だった私の周りの「普通の感覚を持っている人」はみんな、ほんとにみんな、「いいかげんにしろ」と言ってますよ。一度、未だに浮かれているのはどういう人たちなのか、きちんと調べてみた方がいいんじゃないかと思うんですけど。

 ついでに、メディアの方々に調べてもらいたいことがもう一つ。こないだ、香川県に年間発電電力量200万kwhの発電をするメガソーラー計画が2つも3つもできるという話について「200万kwhの電力を1kwhあたり42円で四国電力に買い取らせたら、四国電力は仕入れが8400万円も増えて、それはいずれ私らの電気代に上乗せされる」という話を書いた時に浮かんできた疑問なんですが、どこか計算が間違ってたらごめんなさい。

 まず、このメガソーラー会社は、太陽光発電をしてそれを売電する会社ですよね。で、年間発電電力量200万kwhの電力を1kwhあたり42円で四国電力に売るのがこの会社のビジネスだとすると、このメガソーラー会社は年商8400万円の会社だということになりますが、年商8400万円(月商700万円)って、その辺のちょっと流行っているうどん屋と同じですよ。

 では、年間発電電力量200万kwh(出力2000kw×年間直射日照時間1000時間)クラスのメガソーラー事業の初期投資はどれくらいなのか? すごくアバウトな計算をすると、まず、今、市販されている太陽光パネルの値段がだいたい出力1kwあたり50万円程度のようなので、こいつに出力2000kwを掛けると、約10億円。けど家庭用と業務用で同じ単価ということもないだろうし、規模が大きい分かなり割り引かれるだろうから、とりあえずエイヤで半分にして、パネル代が5億円だとしよう。これに、その他の建物、設備費用や、諸々の費用がプラスされて、総額10億円前後の初期投資が必要になるのではないか、というのが、私の素人計算である。

 あと、素人考えで挙げれば、土地代もプラスされ、さらに自分ちの太陽光発電所から四国電力の送電線までの電線を引く費用(土地を確保して電柱も立てないといけない)もプラスされるのではないか。かつて、規制緩和で民間発電事業者の参入ができるようになった時、「新規参入の発電設備から電力会社の送電線までは、事業者側が自前で電線を引け」という話になったと聞いたことがあるが、今回の太陽光発電業者がどうするのかは知らないんですが。

 ちなみに、ネットで調べていたら、鹿児島の「七ツ島メガソーラー発電事業」で「出力7万kwで総投資額約250億円の予定」と書かれていたのを見つけた。7万kwで250億円ということは、単純比率で計算すれば2000kwで7億円くらいになるから、サイズダウンで単価が上がることを加味すれば、土地と電線がどうなってるのかわからないけど、「初期投資10億円」というのはいい線でしょう。

 さて、そこで疑問です。

 年商8400万円のうどん屋の初期投資額は、その規模からして香川県内ならせいぜい2000〜3000万円くらいじゃないですか? もっと安くてもいけるかもしれないけど。ところが、メガソーラーは同じ年商8400万円のビジネスに10億円もの投資をするという話になる。これ、普通に考えたら、絶対に投資を回収できませんよね。だって、10億円の投資を10年でペイアウトしようとしたら毎年1億円のキャッシュを生み出さないといけないのに、売上が8400万円じゃ、粗利100%でもキャッシュが足りないというバカな話になる。投資が回収できないどころか、確実に会社がつぶれますよね。

 ところが、「1kwh当たり42円」で電力会社に買い取らせたら太陽光発電業者は利益が出る、ということであの買い取り価格が決まって、事実、それであちこちで新規参入会社が出てきている。10億円も初期投資して、年商がたった8400万円で、それで投資が回収できる仕組みって、一体どういうことなんですか? 

 何か、太陽光発電推進政策にはメディアで全く報道されていない、とんでもない補助金とか無茶苦茶な優遇措置とか、何かが隠されてないですか? メディアの方、特に新聞社の方、記者クラブの発表をそのまま載せるばかりせずに、ちょっと考えて調べて疑問を解いてくれませんか?
2010年7月1日(日)

 平安時代は長いなあ…とか思いながら、土曜日の朝6時頃から久しぶりに峰山に登っていたのである。「泣くよウグイス(  )京」のカッコの中に(ホウホケ)と入れたやつがいる、というネタを思い出したが、平安時代は794年から1185年頃までだから、400年近くも続いてたんだなあ。一応教科書で習った年数で並べてみると、

奈良時代………………84年間
平安時代……………391年間
建武の新政………………2年間
(室町)南北朝時代…56年間
まともな室町時代…101年間
(室町)戦国時代……80年間
安土桃山時代…………30年間
江戸時代……………265年間
明治時代………………44年間
大正時代………………14年間
昭和時代………………63年間

ということのようであるから、やっぱ平安時代は異常に長い。ちなみに長いのを並べてみたら、

・平安時代…391年間
・室町時代…237年間
・江戸時代…265年間

この3つの時代が長いということに今頃気がついたわけです。それで、私のアバウトな日本史の知識でさらに考えていたら、これら3つの「長い時代」はそれぞれ、

(1)新しい政治の形の構築の時代
(2)形が安定した後、為政者が退廃していく時代
(3)為政者の退廃が社会に顕在化して、社会システムが目に見えて崩壊していく時代

の三部構成になっているような気がしたので、ではその三部構成はそれぞれ、何年くらいでそうなっているのか? と考えてみたわけです。

 まず、平安時代のことはよく覚えてないけど(笑)、為政者(天皇家というか藤原家というか)が栄華をむさぼり始めてから100年とか150年くらい経って、世の中が具体的におかしくなってきたような気がする。室町時代は南北朝のゴタゴタが落ち着いたあと、やっぱり100年ぐらいで世の中がおかしくなって戦国時代に入ってしまっている。江戸時代は大名やお寺の牙を抜いて徳川家が安泰になってから、やっぱり100年ぐらいで為政者側が退廃して世の中がおかしくなって…と、私の日本史の知識はテキトーだからかなり情緒的な思い込みでしかないが、とりあえずアバウトに、

(1)50年くらいで「新しい政治の形」が構築されて、
(2)安泰になったらそこから少しずつ為政者の退廃が始まって、その退廃・腐敗が100年くらい続いてようやく、目に見えて崩壊の兆しが出てくる。

という感じかなあ…と思ったわけです。ま、アバウトだから100年が150年くらいかもしれないけど、たぶんそれくらいのスパンの話なんだろうと。

 大きな「事件」は10年とか20年スパンで定期的に起こるけど、その起こった事件を為政者が曲がりなりにも、取り繕いに過ぎなくても、何とか収拾できているうちは「時代」は目に見えては崩壊しない。現代で言えば、バブル崩壊もリーマンショックも原発事故も大きな「事件」であるが、今のビジネスの世界はなんだかんだ言われながらもたいていの「事件」をそれなりに合理的に収拾、修復するから、まだ目に見えて「時代の崩壊」には至っていないんだろう…という感じである。

 時代が崩壊するのは「事件」が起こった時ではなくて、為政者が「事件」を収拾できなくなった時だろう。で、収拾できなくなるほど為政者が退廃するには100年単位の時間がかかるんだろうなあ…と考えていて、そこで「今は退廃が始まって何年目くらいなんだろう」と思ったわけです。

 1960年代、70年代の高度成長期はまだ、私が思っている意味の「為政者が堕落し始めるような安泰」ではないから、たぶんバブル期にさしかかった1980年代あたりからだろう。すると、今は退廃が始まって30年目あたりか。すると、世の中が明らかに目に見えておかしくなってくるのは、あと70年後なのか?

 ちなみに、私が持っている具体的な「退廃」のイメージは、
・為政者が既得権にしがみついて、自分の利益を最優先するようになる。
・為政者が理屈でなくて感情(イデオロギーを含む)で動くようになる。
の2つである。あと、今は民主主義の時代だから、昔の貴族や武士政権に相当する「退廃する為政者」は「政治家と官僚」だけでなくて、税金にぶら下がる「国民」も、それらに影響を及ぼす第三の権力の「マスコミ」も、広義の“退廃する為政者”組であることも前提である。

 今は平安時代や室町時代、江戸時代の“太平期”と違ってメディアが発達しているから、いろんな動きが昔より早いかもしれないけど、それにしても、今の時代が目に見えて大変なことになるのに、あと30年とか50年もかかるのか…。

 今、民主主義の広義の為政者である政治家、官僚、マスコミ、国民の多くが「既得権にしがみついて自分の利益を最優先する」「理屈でなくて感情で動く」という退廃の道をかなりのスピードで進んでいるように感じるけど(消費税増税、再生可能エネルギーの買い取り制度、社会保障費は増え続けるという前提の議論、お金を生み出す者からお金を取り上げてそれをお金を生み出さない者に配って「国民が豊かになる」という議論…等々)、これが時代の崩壊現象として具体的に国民の目に見え始めるのは、まだ何十年も先なのか…。そらみんな、言いっぱなしの議論でも平気なわけだ。

 というモヤモヤの3時間を過ごした、こないだの峰山ウォーキングでした。山から帰って、気を取り直して水槽の魚にエサをやったら、1センチぐらいになったちっちゃいやつが4匹、体長数倍の猛者の群に混じってエサのおこぼれを食っていました。最近、退廃まっしぐらみたいなニュースがいくつも流れてくるのでイライラの連続で、何か書こうと思ってはやめ、書こうと思ってはやめ、しばらく日記が開いてしまいましたが、昨日の夜、幸せな松村夫妻を見たので、穏やかな気分で今週も働きます(笑)。
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