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2008年08月の日記
2008年8月31日(日)

 気が動転して意味もなく笑ってしまいそうなほど忙しいのに(もうフレーズを思いつかないのでこのパターンはこれで最終回だ)、今日はシンポジウムだ。青年会議所の主催で、テーマが「香川の活力」とか「ローカルコミュニティーの復活」とか、もう一つ私の中で主旨が絞りきれない内容で、基調講演が元三重県知事の北川正恭さん、パネルディスカッションが北川さんと日本青年会議所の会頭の小田さんと私というプログラム。何ヶ月か前に頼まれた時に「そんな真面目そうな内容とメンバーに私は入ってはいけないと思う」と言って辞退したのだが、頼み込まれて受けてしまった。そしたらあろうことか、こんな非常事態のまっただ中になってしまったのだ。今抱えている原稿や企画ものの一つの区切り締め切りが9月1日。あと2日しかないという今日だ。

 さらに困ったことに、シンポジウムは午後1時過ぎから2時半頃までだというので12時半くらいまで原稿の時間に使えると思っていたら、今週になって「打合せをしたいので10時半に来てください」という連絡があって、10時過ぎに家を出なくてはいけなくなった。仕方なく、ちょっとでも時間が空いたらと思ってパソコンを持って行ったら、打合せは20分足らずで終わって、結局控え室で11時前から1時過ぎまで2時間も待機状態になって…。仕事の時間ができたと思って控え室でパソコン開けて考え事をしていたら、ノックがあって見たことのある顔の青年が入ってきた。

佐古「僕、わかります?」
田尾「わかるわ。佐古やろ」

 タウン情報時代に高校生で編集室に出入りしていて一緒にラジオにも出ていた佐古が、ええおっさんになって15年以上振りにやってきたのである。

田尾「何しょんや」
佐古「今日の係ですよ」
田尾「JCに入っとんか!」

 まあそれでしばらく時間がつぶれて(笑)、ほとんど原稿が進まないままにシンポジウムを迎えた。北川さんは元行政の人なので、政治や行政の話が中心になる。JCは私の印象では行政寄りの団体なので、やっぱり行政がらみの「まちづくり」っぽい話になる。私だけ民間の立ち位置。こないだ私がこれに出るのを知ったA藤から「ようそんなの受けたなあ」とメールが来たが、おっしゃる通り。けどちょっとだけ頑張ってきたぞ(笑)。

 「地域活性化」と言っている人の具体的な目的はたいていの場合「経済的な活性化」であり、それはシンプルに言えば「企業や店が利益を上げて、設備投資が増え、雇用が増え、給料が増え、それが消費活動に回って地域に住んでいる人が経済的に豊かになって、その上澄みが税金で行政に回って民間のできない社会のインフラ整備や行政サービスに回る」というサイクルを活発に回すことであるが、そのサイクルを回すための役割分担の比率は、以前にも書いたが私は感覚的に「民間が8か9、行政が1か2」くらいだと思っている。言い換えれば、民間がちゃんと持ち場についてやるべきことに必死で取り組んで成果を挙げれば、街の基盤なんかその8割か9割は勝手にできていくと思っている。ところが、マスコミも識者も政治のことばかり大きく話題にし続けるものだから、何か私らに「政治が地域の将来のすべてを決める」みたいな刷り込みがされてきているように思えて仕方がないのである。もちろん政治は大事で必要であるが、イメージとして必要以上に肥大化しているような気がするのである。

 地域活性化の成功例として挙げられる町や村は、例えばごっくん「馬路村」も、はっぱビジネスの「上勝町」も、古くは湯布院も、根本的に「ビジネスで成功している」のである。それは民間の力だ。行政の誰かが仕掛けた例もあるが、それは仕掛けた彼がいわば「民間の仕事」をしたわけで、本来行政がやるべき仕事で街が経済的に自立的に活性化した例は、たぶん30年くらい遡っても日本にはないと思う。あるのは税金でメシを食う「他力的」な街や業界ができただけである。

 「税金は経済活動を阻害する」というのが原理原則ですよ、やっぱり。本来前述のサイクルを回す力になるはずのお金を持って行っちゃうわけですから。ガソリン価格だって、税金をやめればいっぺんに50円以上下がるわけでしょ。原油高に対する経済対策と言って、暫定税率まで復活させて取ってからまたばらまくなんて、何やってんだか。それなら取らなきゃいいじゃないですか。その方がずっと経済が踏ん張れますよ。

 で、その経済の現場を担っている人が集まっている例えば青年会議所みたいなところの個々の人たちには、もし地域を経済的に向上させようと思うなら、まちづくり運動なんかより自分とこのビジネスを必死でやって、できることなら伸ばしていってもらえれば、街の8割か9割は勝手に活性化しますよ、と言いたいのである。もちろん1割か2割は何かやるのならやらないよりはいいと思いますが。「JC活動を一生懸命やって会社を潰した」という話を聞くに至っては、まちづくりの本末転倒そのものです。

 政治は重要であるから、政治を担う人も語る人も意見する人もとても重要である。経済も人の豊かさを実現する重要な要素であるから、経済を担う人も語る人も意見する人もとても重要である。ただし、それぞれを担う人にはそれぞれの本来の「持ち場」があるわけで、そのうち、経済を担うべき人が持ち場を少しおろそかにして政治に寄りすぎてはいないか…という、感覚的な印象の話でした。と同時に、またほぼ日中丸ごと原稿が止まったことについての池Gさんへの報告でした(笑)。こんなん書いてる間に原稿書けっちゅうに。あー、苦しくて現実逃避…。夜中の2時半が来た。今日は朝まで仕事する。
2008年8月30日(土)

 未だかつて経験したことのない類の偏頭痛が1週間も続いてるほど忙しいのに(笑いで突っ込めんが)、今日は朝から中野うどん学校だ。大学の社会福祉学部の富島先生が九州から学生を20人くらい招いたプログラムの中で、せっかく香川に来てもらうのだから何かうどんの体験をと頼まれて、行ってきたわけです。ちなみに四国学院大学は社会福祉分野では先駆的な大学で、障害者等に対する受け入れ態勢のインフラでは全国すべての大学の中で9位にランクされておりますので、お見知りおきをよろしく。

 中野うどん学校は数年前にカルチュラル・マネジメント学科のオリエンテーションで学生たちを連れて行った時に、あの名物の「まっちゃん」こと松永校長に「田尾さんもやらないかんやろ」と言われて初めてうどん作りに挑戦して、学生全員それなりのうどんができたのに私だけそうめんみたいに細いうどんを作って校長に「田尾さん、うどん作れんのやー(笑)」と大喜びさせたという過去があるのだが、私は同じ失敗はなるべくしない男だ。「なるべく」やけど。

 とりあえず中野うどん学校の最新情報です。「音楽をかけて踊りながらうどんを踏む」というおなじみの“人気だけどええ大人にはちょっと恥ずかしい”パフォーマンスで、まっちゃんのかける曲がかなり新しくなっています。タウン情報時代に取材に行った時はムード歌謡(笑)の『星降る街角』(敏いとう&ハッピーアンドブルー)だったのが、今日のラインナップは曲名知らんけど「羞恥心〜、羞恥心〜」いうやつと「ポポポポポポポポポポポポポー」いうやつがかかっておりました(笑)。

まっ「9月1日から曲があれ、アンガールズが歌いよるあれに変わるけんねー」

 まっちゃん、1カ月ぐらい前に過労で寝込んでいたので心配してましたが、復活です。うどん踏み講義のトークはもはや名人芸の域に達してる。めちゃめちゃおもろい。あれはテープに録って未来永劫残しておくべきです。地元のうどんファンの多くは手作りうどん教室なんて…と思っているかもしれないけど、死ぬまでに一度は体験をおすすめします。ただし、一人で行くと恥ずかしい(笑)。2人や3人もまだまだ。最低5〜6人、できれば10人以上の仲間で行ってまっちゃんをいじりながらやると最高です。そういうわけでI川さん、また半日以上原稿が止まったで。
2008年8月28日(木)

 気を失いそうに忙しいのに(もうええか)講演だ。

 朝からインタレストの原稿で研究室にこもっていたら飛んで火にいるステファニーが来たので手伝わせて、昼頃やっと、全32ページの最初の3ページを上げた(といっても一番簡単なページ)。息つく間もなく2つ目の特集の「香川県に登録されている外国人数の国別推移」に取りかかって(初めてこのデータを見た時にあまりに愕然とする推移にひっくり返ったが、いや、実際にひっくり返ってはないが、内容は発刊を待て)、講演の時間が近づいてきたので高速を飛ばして一旦家に帰る。

 今日は全国の自治体の広報関係の担当者が集まった研修大会だそうで、何かセレモニーみたいなのをやった後、午後2時20分から3時50分まで四国アイランドリーグを立ち上げた石毛宏典さんの講演、続いて4時から5時半まで私の講演というスケジュールになっていた。私は仕事がこんな状況なので「4時10分か15分前に会場に行けば…」と思ってギリギリまで原稿を書いていて、ちょっと早いかな、と思ったけど3時20分に家を出たのである。会場のサンポートまでは車でほんの10分足らず。駐車場に車を止めて会場に行ったら係の人が控え室に案内してくれて、3時35分頃、たぶんステージの裏かその辺にあるのだろう控え室に向かって歩いていたら、今講演中の石毛さんの声が流れてきた。「おー、あと15分ぐらいやからそろそろ最後の一ネタに入る頃やなー」と思う間もなく、聞こえてきたのが

石毛「終わります! ありがとうございました!」

 うわ! もう終わったがな! 俺の出番、早まるんか? それにしてもちょっと早めに来てよかった…と思って控え室に入ると、石毛さんがそこにいた。

田尾「えー! ここでしゃべりよったんですか!」
石毛「そんなわけないでしょ!(笑)」
田尾「だって今さっき“終わります”言うて、もうここにおるやないですか」
石毛「ステージ、すぐそこ。終わったら10秒でここ(笑)」
 
 ステージから進行係の「10分休憩を挟んで、田尾和俊さんの講演…」というアナウンスが聞こえてきた。結局5分繰り上げで講演開始。全国からのお客さんということで「うどんの話をしてくれ」と言われていたのでタイトルは「讃岐うどんブームのプロモーション」であったが、広報関係の研修であるからそのプロモーションの中でも特に情報発信の魂の話を中心にお送りした。
****
 「人に知ってもらうための情報発信」と「人に動いてもらうための情報発信」とは、基本的に書き手の魂が違うわけです。例えばレストランの紹介をしますね。すると、編集スタッフが「店内は白を基調とした明るい雰囲気」とかいう文章や見出しを書いてくる。私ら、情報誌で「人を動かす」という目的で原稿を書いていましたから、こういうのを書いてくるとボツにするわけです。まず、書いてきたスタッフに「お前、この記事の目的は何や?」と尋ねる。すると、突き詰めていくと目的は「読んでくれた読者に、このレストランに行ってもらう」というところに行き着く。そこで、こう説明するわけです。

田尾「そやろ? ほな、今ここに友達がおると思え。その友達はお前の書いたレストランを知らない。そこで、お前はその友達に、そのレストランに行きたくなるように口頭でお勧めしなさい。まず、友達に“あのレストランに行ってみたら?”と言う。すると友達は必ず“そのレストラン、何がええの?”と聞いてくる。その時お前は“あのレストランはね、店内は白を基調とした明るい雰囲気なんよ”と言うか? それで友達が“それなら行ってみよう!”と思うか?」
編集「思わない…」
田尾「けどお前、そう書いてるやん」
****

 まあちょっと象徴的に例を作ってるわけだが、そんな用例をたくさん織り交ぜて1時間半、人を動かすという目的を掲げた場合の情報発信の「魂」と、いろんな手法をお話ししてきました。これで原稿が2時間半遅れたで池Gさん(笑)。
2008年8月26日(火)

 ものすごく忙しいのに(もうええっちゅうに)「讃岐うどんワールド」のロケだ。朝7時半に我が家の最寄りの高徳線昭和町駅から電車に乗って、高松で乗り換えて久しぶりに予讃線の各駅停車で多度津に到着。ロケのパートナーのRSKの奥富亮子アナことトメちゃん(逆か)と合流。オープニングは多度津駅前に展示してあるSLの前から、15分番組なので短く、今日巡る多度津の街の紹介だ。

ディレクター「じゃあ、多度津は四国の鉄道の発祥地ということに軽く触れて、“じゃあ行きましょう”で締めてください。3、2、1、(はい)」
トメ「今回は多度津にやってきました。田尾さん、何でSLがここにあるんですか?」
田尾「多度津は鉄道抜きには語れない! 四国の鉄道の発祥地なんですよ」
トメ「田尾さん、SLには乗ったことあるんですか?」
田尾「高校の時まで現役で走ってた。この煙、煤煙(ばいえん)のニオイが大好きやったもん」
トメ「煙のニオイがー?」
田尾「僕の好きなニオイランキング第2位ですよ。ちなみに第1位は枕木を井形に積み上げた上からかけてある重油のニオイ」
トメ「もうー、何だかわかんない。煤煙って、排気ガスみたいなもんでしょ?」
田尾「全っっっ然違う! 排気ガスには悪意がある!」
トメ「じゃあ煤煙は?」
田尾「煤煙には愛がある」
トメ「わかんないー(笑)。煙でしょ? 何か燃やした煙のニオイしか想像できない」
田尾「違うな。何というか、ただの煙にね、味の素を入れたみたいな愛があるんですよ。わからんかなー」
トメ「絶対わからない(笑)」
田尾「じゃ、多度津の街歩き、行きましょうか」

 どんなオープニングや(笑)。たぶん長すぎて煤煙マニアの部分、番組では流れないと思う。続いてディレクターが「2人でSLに乗って笑顔でカメラに向かってください」と言うので、トメちゃんはデッキ、私は機関室の窓から顔を出して笑う。

田尾「何か、めちゃめちゃ恥ずかしいなー」
トメ「何か、あれみたい…」
田尾「70年代の新人デュエット歌手のジャケット写真」
トメ「それそれ!(笑)」

 この日は夕方までかかって、桃陵公園と資料館とうどん屋2軒(根ッ子と平野屋)回って、さらに穴子丼とカステラを食って、途中、トメちゃん大喜びのとても書けないサプライズがあって終了した。多度津の街はあまり大したものはないという印象だったのだが、歩いて人に話を聞いていると、あそこはつい50年くらい前までこんぴら参りの玄関として香川県で一番のにぎやかな地域で、料理屋から旅館に遊郭まで数十軒あったらしい。町並みの一部にまるで京都の路地のような面影が残っているのにはちょっと驚いたけど、これでまた1日原稿が遅れたで池Gさん。
2008年8月24日(日)

 なんだかんだ言いながら、仕事も進んでいくのであった。ちょっとずつ。あと1週間ででかい山が2つ。そのうち1つは池Gさんのせいでもうすでに越えられないことが決定(笑)。それでも今日の夜、ちっちゃい山を一つ越えたので一息ついてテレビをつけたら、山本昌が巨人を2安打に抑えて完投していた。

 山本昌、ええなあ。長い間阪神の天敵だったけど(過去形で言うたらいかんかもしれんが)、私はプロ野球の選手の中で山本昌が一番好きだ。いや、まだよく知らない選手の中でええ人がいるかもしれんので、「私の好きなプロ野球選手トップ3の中に入る」と言っておこう。流れるような変なフォームで投げる姿に、すごくすがすがしい目的意識を感じる。インタビューに対する話し方も好きだ。奇をてらわず、質問に真面目に普通に自然体で答え、妙な皮肉も込めず、ストイックさも見せず、妙に作り愛想もせず、かといって無愛想でもなく、うまいこと説明できんがとてもええ感じだ。ま、会ったことないので表面的な感想ですが。とりあえず私の「目指したい心の大人」リストの中にいるのは今、「デューク東郷、ジェームス・ボンド、ブルース・リー、グレッグ・ノーマン、高田純次、山本昌」あたりだが、これ、足したら何になるんだ。

 そういうわけで山本昌を見てまた仕事体勢に入ったので、オリンピックの閉会式をやってたのは知ってたけど全然見なかった。ま、今回のオリンピックは開会式も試合もほとんど新聞で結果しか見ていないので、感想は「選手、みんな出たんだなあ」くらいです。すんません。

 でもほんとに「みんな出たんだなあ」。これだけ弾圧と強制統制と政治利用が明らかな大会だから、世界中で1人くらい、人間として「金メダルより大切なものがある」という考え方の選手がいてもよさそうだと思ったんだけど、いなかったんだなあ…と。いや、世界のニュースは知らないので「日本にはいなかったんだなあ」と。ちなみにあり得ない話だけどもし私がオリンピックの金メダル候補選手だったとしたら、私は出場を辞退している。間違いなく。それがいいと言っているのではない。そんなのは人の価値観の問題だから「スポーツと政治は別だ」とか言って出場する選手がいても全然かまわないと思うけど(もはや実態は別ではないと思うが)、1人もいなかったというのが、何というか、スポーツ選手というのはスポーツに対してものすごく純粋なのか、そのメンタリティは何なんだろうなあ…と、ちょっと思っただけです。とりあえずいろんなことが露出した中国が、悪い方でなく良い方に変わっていくことを希望します(笑)。
2008年8月15日(金)

 なんだかんだ言いながらも、日は過ぎていくのであった。企画書や原稿に苦しみながら、12日〜14日まで毎日高松まつりの学生ボランティア引率。四国学院から20人くらいの学生が総踊りの裏方や審査員やアンケート採りやゴミ拾い等のボランティアに参加するのを引率し、ついでにこっちも祭りを利用して何か調査をしようという3日間である。

 今年は祭り会場に来ている人の性別、年代別比率調査と浴衣着用率調査をやりました。メイン会場である中央公園の入り口付近で、学生たちと数カ所に分かれて目の前を通る人を定点観測して、性別、年代別、浴衣着てる、着てないの別をチェックするという原始的な方法である。ちなみに年代別の判定はいちいち全員に「何歳ですか?」と聞くわけにいかんので、見た目で判断だ(笑)。でも私は女の人の年齢を見た目で判断する能力がゼロなので、その道を極めるごんを呼び出して、ごんが「読み上げ係」、私が「記入係」のコンビで調査することとなった。

 段取りは、性別・年代別・浴衣着用別に「正」の字を書き込む集計表を作って私がその紙と筆記用具を持ち、ごんが目の前を通る人を「10代女、浴衣、20代男、10代男3人…」とか読み上げて、それを聞きながら私が集計表に記入していくという方法。ま、二人でやれば楽勝…と思っていたのだが、いざ開始するとそれは怒濤の集計作業になった。何せ、すごい数の人が通るのである。ごんもいちいちていねいに読み上げとる暇がなく、10代の女の子は「10女」としか言う余裕がない。9歳以下の男の子は「9男」、浴衣を着てる子だけ「浴衣」と読み上げる。そのスピードは客が塊で通過しようものならピークに達し、いちいち「正」の時の記入場所を確認しながら記入している私はもう必死の作業。

ごん「10女4(人)、10女浴衣、10男浴衣、10男2、30女、30男、10女浴衣2、10男3…」

 私は記入用紙に向かったまま、顔を上げる余裕もない。

ごん「20女浴衣、20男、10女6、10女3浴衣、別府君、10男…」

 別府君が通ったらしいが、突っ込む余裕もないぞ。

 結局1時間くらい調査をして、別部隊で同じ調査をやっていた学生たちの集計と合わせて4000人くらいのデータが集まりました。まあこれくらいあれば、だいたいの傾向はつかめるだろう。主な調査結果は以下の通りです。

<客の年代別比率>
(1位)10代…54.5%
(2位)20代…22.6%
(3位)30代… 8.8%
(3位)9歳以下…8.8%
(5位)40〜50代…4.3%
(6位)60代以上…0.8%

<浴衣着用率>
(1位)10代・女…51.5%
(2位)20代・女…41.1%
(3位)9歳以下・女…32.5%
(4位)20代・男…8.3%
(5位)30代・女…4.7%
(6位)9歳以下・男…2.7%
(7位)10代・男…2.6%
*30代・男と40代以上男女はほぼ0%

 12日と13日はごんに協力してもらって、14日は太田が帰ってきて電話をかけてきたのでこれ幸いと呼び出して、太田と一緒に祭り会場を取材しながらうろついていた。何か、カラフルな甚平を着た女の子が増えていた。最近熊本の事情に詳しい太田によると「熊本の祭りは、女の子、甚平が無茶苦茶多いで」とのこと。甚平ブーム、来年あたり高松に来るのか?
2008年8月10日(日)

 限界を超えると人間、笑うしかない…というぐらい大変なことになってきた(笑)←という意味の笑い。嵐吹き荒れる仕事の山を抱えたまま、先週の火曜日に大阪からU山さんが来てとても数日では片づけられない仕事を押しつけて帰って(8/20締め切りだとか)、途方に暮れていたら水曜日に大学でこれまた数日では片づきそうにない新たな仕事が発生(8/31締め切りだとか)。息つく間もなく金曜日にこれまた大阪から悪魔の池Gさんが来て、とても1週間ではできない仕事を押しつけて帰った(9/20締め切りだとか)。ほんまにこれはいかんと思って土曜日はもう朝からパソコンの前でうなってうなって苦しんで、夜中の12時過ぎにやっと一つの原稿(大学の仕事)が進み始めて、これはもう一気に行かないかんと思って耳かきで耳の穴をほじくりながら(これ、私の強制的に目を開けさせる方法)必死で原稿を書いていたら、外が明るくなってきたのである。

 徹夜しました。朝6時半頃原稿を一つ書き上げて、それから2時間半くらい仮眠を取って9時に起きたら携帯電話に着信が入っていて、かけたらまた新たな仕事が発生した。A藤とごんだけが知っている、いかなる時に発生しても常にとても優先順位が高いので割り込みでやらないかんあれ(笑)。で、11時に取材に行って、帰ってきて今朝徹夜で仕上げた原稿を読み返していたら、うわー、夜中に書いたラブレターを朝読み返したら恥ずかしいみたいな、何かこんがらがった文章になっとるー。

 結局夕方までかかって全部書き直して、今、もう頭の中の何かを壊したくて半年ぶりに青春ゴルフに打ちっ放しに行って70球打ってきた。何か全身が熱い。明日は朝から学生を集めて高松まつりのボランティアの打ち合わせ。明後日から3日間、高松まつり本番の学生ボランティアの引率。パソコン持って原稿書きながら動きたいくらいなのに盆に太田が帰ってくるとは、追い打ちにも程があるぞ!(笑)もうタウン情報かがわ創刊以来最大のピンチ! 季節は勝手に秋になるが、果たして私は今年の夏を越えられるのか? 
2008年8月5日(火)

 あちゃー。ドンキー君を10日もさらし者にしてたのか(笑)。というか、わかってたんだけど何しろ“仕事の台風”のまっただ中でどうにもこうにも。私のやってることを人に話してると「そこまで真面目にやらんでもええんちゃうか?」とか「ちょっと手を抜いてもええんちゃう?」とか言われるが、まあ自分なりに手を抜くところは抜いているつもりなんだけど、たぶん性分だからどうにもならん。ずっとこうなんだと思う。

 土曜日の深夜、遊ゼミの後で上村さんとお茶飲みながら話してた時に「正直者がバカを見る」という話題になって、私はこんな話をした。あれは本当に正直者がバカを見て損をしたことを言っているのだろうか? 私はそれは多くの場合“ウソツキ(ずるいやつという広い意味で)”が得をしただけで、正直者はその時、損をしたのではないと思っている。数値で表しますと、ウソツキ君と正直者がそれぞれ「0」ポイントを持っていて、ウソツキ君が何かでうまいこと「1」ポイントを獲得しただけで、正直者が「マイナス1」になったわけではない。ただ相対的な話に過ぎないことだと。

 新聞の投稿欄なんかで時々「正直者がバカを見る世の中になってしまった」という内容の意見を目にするが、私はそうではなくて「ウソツキ(ずるいやつ)が得をすることが多くなった世の中になってしまった」という感じを持っている。でもなあ、ウソツキの得は長期的に見れば「大損」に転落するリスクが正直者よりはるかに高いだろうし、正直者はたぶん長期的にそんなに損はしないと信じてるんですが。これが金銭ではなく精神的なものになると、さらに正直者は絶対に損ではないと思う。「正直者がバカを見る世の中になってしまった」と怒っている人の中には、「自分もあわよくば得をしたい」という気持ちが透けて見える人もいる。私はウソツキの「1」ポイントはいらない。正直者の「0」ポイントで十分である。真面目に頑張ろうっと。とりあえず、足跡だけ残して今日はこれだけ。
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